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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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11-2 謎の警告場所

 

  深い渓谷をぬけると「あの奥に目的地があるのは確かだな」タキが確認する。


「調べどおり監視カメラがあったわ。でも、本当にあのカメラに写ってないの?」ショウに聞くと「あれは警告を無視した侵入者に対して作動するものだ。カメラの前を横切らなければ動かない」


 一行はそのまま帰途に着き、宿泊している家に戻ると、庭にいた姉のサナに、オヤジさんがどこにいるのか聞く。


「父は今、市場に行ってます」

「市場?」タキが聞き返すと「今日は組合の話し合いがあるので、それに参加してます」


「では君でいい。ちょっと聞きたいことがあるんだが、時間を取ってくれないか?」

「わかりました。これを済ませたら時間が空くので、先に家に入っててください」

 彼女は洗濯物を取り込んでいるところだった。


 リビングで待っていると、サナが洗濯カゴを持って入ってきて「今、お茶を入れますから」キッチンへ行き、ティーポットを持ってくる。


「マチはどこへ行ったの?」ラルが聞くと「イチゴを摘みに行ってます」

「そういえば、大きな果樹園を持ってると言ってたわね」

「裏の丘を越えたところにあります。それで、聞きたいこととはどんな事ですか?」

「隣村へ行く道の途中に、ブナの原生林があるだろう?」タキが話しだすと「あの中へ入ったんですか!」


「あの奥に何がるんだ?」

「変わった性格のお爺さんが、一人で住んでる屋敷があります」

「屋敷? あの森の奥に誰か住んでるのか?」


「はい。人間なんか信用できん! というのが口癖で、自分の敷地内に入ってこれないように、いろんな機械をあちこちに取り付けて、他の人と一切交流しないんです」


「偏屈爺さんの住まいか」そうだろうなという顔をするカイ。


「分不相応な精密機械が取り付けてあった。何から警戒してるんだ?」ショウが話に入ると「なんでも、昔、何かの精密工場に勤めてたとかで、今でも屋敷の中の研究室で、新しい機械を作ってると聞いてます」


「昔取った杵柄を発展させてるのか?」考え込むタキ。「いつからその屋敷に住んでるんだ?」

「確か……三年くらい前からです。もともと空き家だったんですが、いつの間にか住み始めてて、少しずつ改築していったんです」


「怪しいところはないか?」

「怪しいとは、どういうことでしょうか?」

「時々不可解な行動を取るとか、変な人物が訪ねていくとかだ」


「行動といえば、週に一回、決まって金曜の夜に、村にある飲み屋さんに一人で飲みにくるくらいで、それに、あれだけ人を近づけないようにしてるので、屋敷へは誰も行きません」


「これは、一回会うべきだな」タキがカイを見ると「そうだな。金曜といえば明日だぞ」

「あのお爺さんは関係ないと思います。今まで事件を起こしたことはありませんから」

「念のためだ」


 夕飯前に帰ってきたオヤジさんもう一度屋敷の主について聞いてみたが、サナが言ったこと以外、目新しいことは聞けなかった。


「彼が何か?」

「不可解な点は調べなければならない」

「確かに風変わりな老人だが、彼が向うに加担してるとは思えないよ」

「念のためだ。明日の夜、彼に会ってからどうするか決める」


 この日の夜、時計が午前二時を告げたとき、一つの影が庭を横切り、家から離れると隣の林の中へ消えていった。


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