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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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6-1 本部内の調査開始

 

 次の日から、ショウとラルは、本部の情報室にあるコンピュータにインプットされているデータを引きだし、この大陸でどのようなことが起こっているのか調べはじめた。


 もちろん、こちらが持っているデータは、見せられるだけ先にアディに渡してある。

 その見返りとして、機密事項など関係者以外閲覧禁止のデータ以外は、情報室のコンピュータから引き出すことが許可された。


 モニターに映るデータに目を通すショウが「どういう情報網を持ってるのか、知りたくなるな」隣に座っているラルに声を掛けると「それだけ、水面下で彼に協力する人達が大勢いるんでしょう」他のデータに目を通していく。


 調べから次のことがわかった。


 この大陸を支配している十三人の領主の表の顔は、公表されているので先にわかっているが、ここのデータには写真付きで、家族構成や自宅、裏の顔、及び仕事の内容が細かく調べられていた。


 また、マーガの森にシルバーフェニックス王国を持ってこようとしている情報を手に入れているようで、そのため、アディがこの森の中に基地を造ることに決めたというようなことが書かれていた。


 そして、ジットの娘たちが閉じ込められている一卵性双生児の領主の屋敷の内部が、詳細に調べられていることなど。


「ここまで内部事情が掴めてるのなら、次に狙うのはここだな」

「白亜の要塞にはジットとアディがいたのよ。当然だわ」

「だが、その分、向こうにも顔が知られてる」


「ジットは変装の名人よ。いくら顔が知られてるといっても、変装した彼を見つけることは不可能じゃないかしら。アディはここのことがあるから行かないでしょうね。それに、これだけのことが掴めるのは、アディに情報提供する仲間が領主の近くにいるからよ。きっと今回の作戦は、前から計画してたものだと思うわ」


「だろうな。この作戦は成功するだろう」

「楽観視は禁物よ」

「希望的観測と言ってもらいたいね」


「あら、言うようになったわね」

「今まで遠慮してたんだよ」


 さらに何かわかっていることがあるらしいが、この先はパスワードを入力しなければ引きだせないようになっていた。


「今の段階ではここまでだな」パスワード入力画面を見ると「何か手はないかしら」横から覗き込むラル。


「無闇に探るのは危険だ。もう少し別のところを探ろう。何かいい手が見つかるかもしれない」

「そうね。どのみち全部調べなければならないんだもの。簡単なほうから調べましょう」


 電源を落として部屋から出ると、お茶を飲むため、四階のラウンジへ向かった。


 吹き抜け側のカウンター席に並んで座ると「そういえば、グループのメンバーがキラと名乗ってる話しについて、アディに吐いたウソが見破られなかったな」


「それはそうよ。実際に言ったとおりのことをやってきたと催眠術で思い込ませたんだもの」

「アディは、知らないフリをする理由が知りたいと言ってた。知らないフリをしなければならない原因は何かってな」


「それは、知ってはいけない裏事情があるから」

「まあな」

「彼は、今まで会った人間の中で一番厄介な部類に入る人物だわ」


「そうだな」同意するとラルが何か考えているようなので「負担が大きいようだったら、抜けてもいいんだぞ」

「アッ、何?」

「一ヶ所でも落ち着ける場所がないと続かないからな」

「大丈夫よ」


「無理するな」

「ここにはいろんな娯楽施設があるから、久しぶりに気晴らしができそう」

「大丈夫ならいいが。しかし、ほどほどにしとけよ」


「あら、私にセーブしろというの?」

「お前はいつもやりすぎるから注意してるんだ」

「ご忠告、一応聞いておくわ」


「それと、今回のことに味をしめて、俺に変なこと吹き込むなよ」

「アッ、そうか。そういうことができるんだ。いいこと教えてもらったわ」

「なんで俺は余計なことを言うんだろう?」


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