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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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5-1 もう一つの報告会

 

 この日の午後九時過ぎ、ラウンジでウイスキーの水割りを飲んでいるショウのところへジットがきた。


「同席しても構わないかね?」

「もちろん、どうぞ」右隣の席を勧めると、持ってきたショットグラスをテーブルに置く。


 ラウンジは吹き抜けになっている中央ホールに面した四階にあって、カウンター席になっている吹き抜け側に座るとホール全体が見渡せる。


「ここはどうかね?」

「すごいところですね。とても岩山の中に建ってるとは思えません」

「ハハハッ。そうだな」


「アディはすごい人ですね」

「そうだろう?」

「力強い味方ができて心強いですよ」


「彼が一緒だから、私はこの大陸に残ることを決めたんだよ」

「そうなんですか。しかし、なぜ彼は狩り人のメンバーになったんですか?」


「私と同じだよ。引き抜かれたんだ。私が率いてた部隊に入ってきたんだよ」

「あとから入ってきたんですか?」


「そうだ。ところで、村を出発する日に何があったんだね?」

「何が?」

「なぜ連れのお嬢さんがあそこまで変わったのか、気になってね」


「ああ……驚かれたでしょうね」ため息を吐くと「アイツは催眠術が使えるんですよ」

「ホウ!」


「正体の分からない組織へ行くため、自己催眠を掛けて(すき)を作らないようにしたんです」

「以前にも同じような事があったようだね」

「……恥を話せと言うんですか?」


「恥? ぜひ聞きたいね!」興味津々の顔をするので「趣味が悪いですよ」ため息を吐くと「アイツと最初に会ったときは、お互いPFSにいたことを知らなかったんですよ。

 二人してお互いを狩り人だと思ってたんです。


 ある現場で会って、アクシデントが起きたんですがうまく逃げだした後、連れ出したシルバーフェニックスの女の子をどっちが引き取るかでもめて、アイツに催眠術を掛けられて、翌朝、見回りの警官に声を掛けられるまで、公園で突っ立ってたんです」


「アハハハハハッ!」


「だから恥なことだと言ったでしょう!」顔を真っ赤にして言い返すと「いや、申し訳ない」と言いつつも笑い続けるので「いいですよ。誰が聞いても笑いますから」


「そうか。相当手強い相手だったんだね」

「今、その時と同じなんですよ」

「ホウ」また興味のある顔をする。


「これからが怖いですよ」

「気持ちはわかるよ」


 そこへ、アディが入ってきた。


「楽しい話でもしてたのか? 一緒にいいかな?」

「ではボックス席に移りましょうか」ショウが後ろのテーブルを指すと移動する。


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