3-2 情報収集
「引き継ぐ?」首を傾げるアディ。
「以前、俺たちが屋敷に踏み込んだとき、目的の人物が縛られて、部屋の真ん中に転がってたことが何回かあったんだ」
「彼らだとわかったからには、何か証拠になるものを残していったのかね?」
「メモが残ってました。首謀犯だから然るべき処置をしてくれと」
「ホウ! それは初耳だ!」驚くジット。
「面白いね」興味を持つアディ。
「あの時点では彼らだとはわからなかった。別の救出グループだと思ってたから」
「では、どこでその事に気付いたんだね?」
「例の領主の屋敷にいたとき、狩り人の指揮官がグループのことを話してくれたんだ。その時、ああ、あれは彼らだったのか、と気が付いた」
「そうだったのか」
「では、彼らがどんな名前を名乗ってるかも知ってるだろう?」話を進めるアディ。
「名前?」ラルが聞き返すと「知らないのか?」意外だという顔をするので「いいえ。知らないわ」
「……そうか……彼らは全員、キラと名乗ってるんだ」
「キラ?」
「そう。狩り人の指揮官はこの事を話さなかったのか?」
「ああ、聞いてない」
「まあ、知らなくても不思議じゃない。この事がわかったのはごく最近だからね」
「どうしてわかったの?」
「それは言えないんだ」
「なぜ?」
「君が隠し事をしてるからだよ」
「私が?」
「知ってることがあるのに、知らないフリをしてることを見破る手を知ってるんだ」
「……そう。じゃあこれ以上聞かないわ」
「……本当に、君はすごい人だな」
「ありがとう」
「今の段階で、どうして知らないフリをするのかは追及しないよ」
「どうして?」
「どうしてかな?」
「あなたも相当すごいわね」
「そう?」
「ええ」
「ヤバいだろう」
「何が?」
再びラルの部屋。
テーブルで向かい合って座っている。
「あそこまで張り合わなくてもいいだろう?」
「そうはいかないわ」
「組織だということを忘れるな。はみ出しでもしたら追い出されるんだぞ。俺たちの目的を忘れたわけじゃないだろう?」
「彼は追い出したりしないわ」
「なぜそんな事がわかる」
「私に興味を持ったと言ったのはショウでしょう?」
「だからといって」
「彼は、私にボロを出させようとしてるのよ。どの手でいこうかと探ってるわ。だから、どんな事でも張り合うような口調にしておけば混乱すると思ったの。どういうふうに聞いても同じ答え方なんだもの」
「根比べか」
「そうね」
「彼は元心理分析官なんだぞ。大丈夫か?」
「彼に正体をバラせと言うの?」
「そうは言ってない」
「彼の尋問が勝つか、私の自己催眠が勝つかね」
「お前の催眠術が勝つことを祈るよ」
「勝つわよ」
「その強気がすごいよ」
「そう?」




