表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第一章 保護活動
32/701

20-1 水面下の保護団体


  次の日の午前十時。

 二人はチェックアウトするとホテルの一階にあるティールームへ入り、向かい合って座ると紅茶を頼む。


「これからの予定は?」ショウが聞いてくるので「あんたの追跡を交わすこと」眉間にしわを寄せ「今からでも遅くないわ。PFSに戻りなさい」


「ヤダね」

「なんで? なんでPFSじゃダメなの?」


「そういうお前は、なんで抜けたんだ?」

「私のことはどうでもいいじゃない」


「じゃあ、俺のことだってどうでもいいだろう?」

「ヘリクツばっかり言って」

「そっちが言わないんだったら、俺も言わない」


 ここで紅茶が運ばれてきたので一口飲み「言うんだったらそっちが先よ」と振ると「俺が話したらお前も話すか?」


「……聞いてから考えるわ」

「それじゃダメだ」


「……わかった。話すわよ」

「絶対?」

「……ええ」


 少しの間キラの様子を見ると「彼らのことを詳しく知りたくなったからだ」

「彼らの調査はPFSでもやってるじゃない」


「まあな。でも、彼らは自分たちのことについて何一つ(しゃべ)ってくれない」

「それはしょうがないわ」


「気持ちはわかるが、教えてくれなければ何も解決しない。いつまでも同じことが続くだけだ」

「彼らの信頼を取り戻すことは、とても難しいわ」


「わかってる。彼らの怯えた目を見ればな」

「それで?」


「それで考えたんだ。なぜ助けてる俺たちに心を開いてくれないのか。

 俺たちが敵対する人間だということが理由の一つだ。それは最初に思い付くが、他にも理由があると思う。

 もしかしたら、組織で動いてるから、大勢の人間が取り囲んでるからじゃないか。

 彼らは、幽閉されてるときも保護されてPFSの施設に来ても、状況が変わらないと思ってるんじゃないか。

 俺たちを見る彼らの表情を見てそう思った」


「それで?」


「俺たちは、彼らがどのような力を持ってるのか、どのような特徴を持ってるのか把握(はあく)してない。

 そんな俺たちに話したら、態度が豹変(ひょうへん)し、もっとひどい事をされるんじゃないかと思ってるのかもしれない。

 だとしたら、組織で大勢で動いてたら、いつまで経っても彼らは口を開いてくれないだろう。

 だったら一個人で動こう。俺一人で動いてたら、誰かが心を開いてくれるかもしれない。

 そう考えてたとき、お前がいるグループのことが耳に入ってきた」


「なぜ私がそのグループにいると思ったの?」

「お前が行方不明になったと同時に現れたからさ」


「そんなの偶然だわ。本当にそれだけの理由なの?」

「もちろん、それだけじゃない。しかし、話を聞いてピンときたんだ、ここにいるってね」

「……すごい勘だこと」


「そう思ったとき、お前に会おうと思った」

「どうして?」


「彼らに付いて詳しく知ってるからさ」

「あら、詳しくなんて知らないわよ」


「ウソ吐け」

「ウソ? 私がウソを吐いてると言うの?」


「そうだ」

「その根拠は?」


「お前が教えてくれたじゃないか」

「私が? いつ、どこで」


「二度目に会ったときだ。その後でも教えてくれた」

「どんなことを?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ