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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第一章 保護活動
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19-3 もう一つの救出グループ

 

「とにかく、このままじゃ引き下がれない。納得いく理由を聞かせてもらうまで、行動を共にさせてもらうぞ」

「しつこい人は嫌われるわよ」


「ねばり勝ちってのもある」

「何それ」


「納得いかないことは、わかるまで追及する性格なんでね」

「その性格、直したほうがいいわよ」


「言われなくとも、ちゃんとセーブしてる」

「じゃあ、なんで今回はしつこいのよ」


「納得いかないからだよ。俺のどこがいけないのか知りたい」

「そのしつこさだったりして」


「なんと言われようと、納得いく理由を聞かせてもらうまでくっ付いてるからな」

「任務の邪魔をされると困るわ」


「邪魔なんかしないさ」

「現に、こうやって邪魔してるじゃないの」


「今回の事、邪魔したか?」

「こうやって、しつこく追い回してるじゃないの」


「それは、そっちが納得いかないことを言うからだろう? 納得すれば(あきら)める」


 するとキラは姿勢を正し「残念ながら、当グループの規定により、あなたの加入は認められません。ご了承ください」きちんと言い直すと「規定って?」と聞き返してくる。


「何度も同じこと言わせないでよ!」

「まったく納得いかない」

「……勝手にしなさい!」


 捨て台詞を残して席を立つとラウンジから出ていくので、ショウは後から出ると、エレベーター待ちをしている彼女の隣に立つ。


「PFSの仕事を放りだして、こんな所で油売ってていいの?」キラが前を向いたまま聞くと「辞めたよ。今朝、今回の報告と一緒に辞表を送った」


「辞めた?」ショウを見ると「そう」と答える。

「そうって、なんで! 友達の敵を討つために入ったんでしょう? それをやめるの?」


「やめないよ。キラのいるグループへ入れてもらおうと思ってるから」

「だから、あんたは入れないんだって」


「入れない理由を言えよ」

「とにかくダメなのよ」

「来たぞ」


 エレベーターの扉が開くと中に入る。


「何階?」

「先に押せよ」と言うので降りる階のボタンを押すと扉が閉まる。


「早く押さないと通り過ぎちゃうわよ」

「そんなことないさ」


「なんで?」

「同じ階で降りるから」


「同じ階?」嫌な予感に襲われ「まさか、近くの部屋を取ってるなんて言わないわよね?」恐る恐る聞くと「隣の部屋」

「ハ?」しつこさの極意を見た気分になる。


 エレベーターが目的の階で停まるとキラは何も言わずに歩いていき、ショウは黙って後ろから歩くと、キラが部屋へ入るのを確認して自分の部屋へ入った。


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