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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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55-1 チャットでの報告

 

 しばらくはラルの寝顔を見ていたが、リビングへ戻ると、明日からの行動とシンシアの詳細を報告するため、グループの総責任者にチャット依頼のメールを出すと、時間を作るので少し待つよう返事がきた。


「そういえば、ここのところ頻繁(ひんぱん)にチャットしてるな。忙しいからメールでと言ってるのに、チャットでと言われてるから連絡してるが、いいのか?」


 そうこうしているうちにアドレスが送られてきたので接続すると「待たせてしまって申し訳ないね」と、いつものバリトンボイスが話し掛けてくる。


「忙しいときは無理に時間を取らなくていいですよ」

「いや、君とは直接話をしたいから、気にしなくていい」

「しかし」

「あの子はいないだろうね?」

「はい。昼寝してます」


「そうか。それで、今日はどんな話なんだ?」

「明日、組織の本部へ行くことになりました」

「そうか。あの子の状態が良くなったのか?」

「いえ。催眠術を掛けて別人格になることになりました」


「では、姿はどうなんたんだ?」


「戻ってません。先日、大陸の東側にいるグループのメンバーは、体調に変化がなかったとの報告がラルのところに来たそうなので、その東側にあると思われる組織の本部へ行く道すがら、ラルに体調の変化を確認してもらうことになりました」


「なるほど。どの地点で姿を変えられるようになるのかを確認するのか。そこから逆算して、発信源のアタリを付けようということだな」


「はい。それと、組織の本部に着いたシンシアたちと先ほど話したんですが、本部があると思われる森には、どうやら結界らしきものが張られてるようです」


「結界?」

「はい。彼女と同行してるルーチス レイトのミランドも、森の近くでヌメッとした感触があったと言ってました」

「それは面白いな。では、本部へ着いたら、君たちが検証した事と本部の場所を教えてくれ。こちらでも調査しよう」


「わかりました。あと、もう一つ調査をお願いしたいことがあります」

「どんなことだ?」


「アルビオン国のご老公が警戒してる人物がいます。表立っては目立った行動をしていならしく、俺たちの調査でも特定できなかったので、そちらでも調べてもらいたいんです」


「あの老人が警戒する人物か。かなりの曲者らしいな。わかった。こちらでも調査してみよう」


「そのご老公がシンシアを(かくま)ってたということを前に報告しましたが、本当だったようです。彼女から直接聞きました。体調が良くなってきたころ、警戒する人物が屋敷に来ることになったので、シンシアに屋敷から出るよう言ってきたそうです」


「なんだって! それは本当なのか?」

「はい。シンシアから直接聞きました」

「そうか……」


「何か、思い当たることがあるんですか?」

「えっ、あ、いや……」

「できれば、隠し事はなるべくやめてほしいんですけど」

「フフッ、そうだな。私が君の立場でも同じことを言うだろう。実は、老公が学生のころ、我々のある者と親交があったらしいんだ」


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