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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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50-4 先に進めない理由

 

 それから一時間近くがたった頃、ショウの携帯にミランドから電話がかかってきた。

「ミランドか?」

“今、少し話せる? “

「もちろん」


“今、ラルといろいろ話したの。あなたに言えない事だから、どんなことか話せないけど ”

「わかってる。だから、部屋で話すように言ったんだ」

“そうだと思った”


「それで?」

“あなたは反対したそうだけど、組織の本部へ来るまで、というより、私たちと合流するまで、一旦、自己催眠で別人格になったほうがいいという話になったの ”

「なんだって?」


“組織のメンバーのカイから、メンタルに効く液体をもらったと言ってたけど、その液体はシンシアも飲むよう渡されて、食後に飲んで落ち着いてるから、ラルにも効くと思う ”


「ヘェ、組織では彼らの治療薬として使ってるのか。俺も説明書を読んでネットでも調べたけど、安全性は高いみたいだから、ラルに飲ませたよ」


“さっき、ラルからも飲んだと聞いたから今の気分を聞いたら、心に感じてる重さが少し軽くなったと言ってた。だから、効果が出てると思う”

「そうか。それは良かった」


“でも、本部へ移動する間とか、本部に来てからのことを考えると、大勢の人間に囲まれることになるから、自己催眠で別人格になったほうがいいと思う”


「ミランドから見た本部の様子はどんな感じだ?」


“私たちは真っ直ぐ別棟へ連れていかれたから、本部内はほとんどわからないけど、周りは全員人間だからね。それだけでも対応したほうがいい理由になると思う”


「そうだな。そこにはどのくらいの人数がいるんだ?」

“全体がわからないから何とも言えないけど、かなりの人数がいると思う”


「そんなに大規模な組織なのか?」

”建物自体が広いの。さすが本部と言うだけあるわって思うくらい”


「崖の中に建物があるから、近くに行かないとわからないとイータル ヴェンティが言ってたんだろう?」

”そうよ”

「想像できないな」

”来ればわかるわよ”

「そうだな」


“話を戻すけど、ラルには催眠の解除コードを私にも教えてくれることを条件で、あなたを説得する役を引き受けたの”


「なるほどな。電話が来た時点で何かあると思ったけど、そういうことか」

“出発は明後日。明日は二人で話をして。今日は遅いから、ラルには寝るよう言ってある”

「そうか」


“別人格はあなたの嫌いな性格らしいわね。ラルが、またショウに嫌われると言って落ち込んでたわ”

「ああいう奴は嫌いだ」

“だからと言って、冷たい態度は取らないでね”

「……努力する」


“ラルも、本当はそんなことしたくないのよ。そこは理解してあげて”

「わかってるよ。だから、そんなことしなくてもいいように、何かいい方法がないか考えてたんだ」


“いい方法があったの?”

「……いや」

“……そう。とにかく、ちゃんと話をしてね。出発するときメールして”

「ああ、いろいろありがとう」

“じゃあ、本部で待ってるから”


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