表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
281/716

46-5 次のステージへ

 

「それで、最後はあんただ。何か情報があるか?」カイがショウに話を振ると「申し訳ないが、今回、俺からの進捗情報はない」


「珍しいね。いつも何か掴んでくるのに」隣のジットに聞かれ「あるにはあるんですが、発表するほどの規模じゃないので」

「そうか。それはある意味、変化が加速しているわけではないという状況になるわけだ」


「そうですね。ただ、いろんな現象が止まったわけではないので、一週間後、一ヶ月後にどうなるか、測定を続けていく必要があることに変わりはないです」

「そうか」


「では、何か大きく変化したとき、もしくは前兆が現れたら情報共有を頼む」スタンが声を掛けてくるので「わかった」返事をして、朝会が終わった。


 ショウはお昼用の食事を奥さんから受け取ると、ジットと一緒に帰途に付いた。


「先日会ったときよりやつれてるように見えるが、どうしたんだね?」ジットがゆっくり歩くラルに声を掛ける。「別人のように見えるが、何かあったのかね?」


「あ、いえ、朝が弱くて、いつもこうなんです」

「そういえば、この前会ったのは昼前だったね」

(前に、ミランドがジットと家の前で会ったと言ってたな)


「体調は大丈夫なのかね?」

「はい。ご心配をお掛けしました」

「……まあ、無理はしないようにな」

「……はい」



 ジットの家の前まで来ると「明日は九時半に車を表の道に出しておくから」

「わかりました」

「では」


 ジットと別れると家にいき、リビングのテーブルに向かい合って座る。


「フゥ」ラルがため息を吐くので、紅茶を入れるショウが「ジット、何か気付いてるな」

「あれだけの観察眼を持ってる人なら、二人いたと気付くでしょうね」

「だが、憶測で止まってる」


「そうだね。何か仕掛けてくるかな?」

「いや、そんな事はしないだろう。何かあれば直接聞いてくる」

「……そっか」


「とにかく、ミランドたちの行動が確認できてよかった。今のところ順調に行ってるようだ」

「何かあればイータル ヴェンティたちが連絡してくれることになってるから。あとは、私たちが組織の本部へ行って、シンシアの治療ができるようにしないといけない」


「まずは保護施設がどうなってるかだな。設備等、確認してからでないと彼女の治療ははじめられないから、ラルが持ってる薬で対応することになるだろう」

「この前、かなり補充できたから、大体のことには対応できる」


「そうか。グループから指示が来てるか?」

「シンシアの件で、合流したら彼女の状態を連絡するよう依頼が来てた」

「とにかく、メンタル面が心配だから、早く合流して様子を確認しないといけないな」

「……うん」


「それと、組織の本部は面白い場所にあるらしいな」


「前から不思議だったの。ジットも言ってたけど、この大陸は十三人の領主が治めてるから、必ず誰かの土地にあるのに、どうして存在を知られず、また活動ができてるのか。まさか人間の世界にもあるなんて知らなかった」


「では、王国には同じような場所があるのか?」

「あ……ええ、まあ……」

「また自分を責めるなよ」

「……」

「まあ、今の話を聞かなくても、お前が何か知ってそうなのはわかってた」


「……ダメだね。今の私だと、すぐ顔に出てしまう」

「シラを切り通せばいいんだ。気にするな」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ