46-3 次のステージへ
「次は俺だ」カイがタブレットを見て「ここでの作業は終わったので、予定通り明日、引き上げることになった。出発スケジュールだけど、明日の午前十時、村を出発する。その後、一・二回休憩を取って、その日は途中の村で一泊。翌日は午前八時に出発して、夕方、本部着予定だ」
ラルを見ると「今日、朝会に来れたんだから、少しは体調が良くなったんだろう?」
「なんとか」
「なるべく余裕を持ってスケジュール組んだけど、途中で具合が悪くなったら声掛けてくれ」
「わかった」
「こっちの情報は以上だ。そっちは何かあるか?」スタンが話を振ると「私から先でいいかね?」ジットがラルたちに許可を取る。
「もちろんです」ショウが答えると「大した情報ではないが、今回、襲撃を受けて幽閉していた彼らと例の鏡を盗まれた領主三名が、襲撃者を捜すべく、プロの調査員を雇って本格的に捜査を始めたそうだ」
「まあ、やられっぱなしで黙ってる奴らじゃねえな」苦笑するカイ。
「ケッドマンをやったのはあんたらなんだろう?」スタンが話を振るので「まあな」ショウがそっけなく答えると「顔がバレてるなら、すぐに見付かってしまうんじゃないですか?」今まで黙っていた優等生タイプのテッドがショウを見る。
「さすがに最低限の変装はしたよ」
「そうでしょうが、仕草などのクセは出てしまいますからね」
「ああ、確かにな」
「見つかるはずがないと、自信があるようですね」
「これから組織の本部へ行くから、見つかることはないと思う」
「ハハハッ、そうですね」
「それで、この事に関して、他に情報はないのか?」カイが難しい顔をするので「やはり、君たちも調査員の動向が気になるかね?」
「まあな。きっと俺たちも調査対象に入ってるだろうからな」
「狭くはない大陸と言えど、四方を海に囲まれた限られた土地だからね。君たち組織の本部がこの大陸のどこかにあるだろうが、細かく調査していけば、いずれ見つかってしまうだろう」
「ところが、今までよそ者が来たためしがないんだよ」
「本部ができたのはここ一年前後のことだろう? まだ本格的に行動しはじめて、そんなに時間が経ってないからじゃないかね?」
「まあ、それもあるかもしれねえけど、組織員以外の奴は、本部までたどり着くことができねえんだよ」
「それはなぜだね?」
「それは俺たちにもわからねえけど、何かに守られてるって感じだな」
「それは面白い話だね。なにが守ってくれてるのかな?」
「さあね」
「スタン。カイが言ってることは本当なのか?」ショウが興味を持つと「まあな。俺たちにもよくわからないが、とにかく人が入ってこないんだ」
「道はあるんだろう?」
「もちろん。しかし、他の人間が来ると、途中で道を逸れていってしまうんだ」
「道が真っすぐ先へ続いてるのに、脇道へ行くってこと?」考えながらラルが聞くと「その解釈であってる」
「……そう」と返事をするので「何か思い当たることがあるのか?」
「あるわけないでしょう? 知らない土地なんだから」
「……そうか」




