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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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45-1 再会

 

 昼寝する時間が遅かったので、ラルが起きてきたときはすでに夜になっていた。


「ああ、起きたのか。じゃあ夕飯にしよう」

 リビングへ行くと、テーブルで調べものをしていたショウがキッチンへいく。


「先に食べなかったの?」キッチンの入り口で声を掛けると「一人で食べてもうまくないだろう? しばらくミランドもいないし」

「それなら、起こしてくれればよかったのに」


「何言ってんだ。お前は体力を戻すことが最優先だということを忘れたのか?」

「忘れてはいないけど……」

「じゃあ、もうすぐ温まるから、テーブルのセッティングをしてくれ」

「アッ、うん」


 テーブルを拭いてランチョンマットを敷くと、ショウがパンとシチューを持ってくる。


「今日は野菜のコンソメスープと、パンはカンパーニュとライムギパンだそうだ」

「朝はライムギのリゾットだった」


「ライムギパンは、バターと蜂蜜を塗って食べろと言われた」ビンをパンの横に置く。

「けっこう黒いんだね」珍しそうにライムギパンを取ると、蜂蜜を付けて一口食べ「うん、おいしい」

「少し焼いたほうが香ばしいな」ショウはバターを付けて食べる。


 食後、お茶を飲んでいると「そうだ、イータル ヴェンティが薬を持ってきてくれたぞ」テーブルの端に置いてある紙袋をラルの前に置くと、早速、中身を確認する。


「メモが入ってる」二つ折りになっている紙を広げて読むと「なんて書いてあるんだ?」

「症状別に、薬の飲み合わせが書いてある」


「ヘェ。それで、今のお前に合う症状が書いてあるか?」

「一番最初に書いてある」持ってきた薬のポーチを開け、薬の種類を確認すると飲む分を揃える。

「その組み合わせで姿が戻るのか?」

「別のメンバーからの情報みたい。効くかどうか試してくれって」


「そうか。スタンが明後日出発すると言ってたから、姿が元に戻れさえすれば一緒に行けるだろう」

「でも、戻らなかったら?」

「その時は、チップを付けて強制的に姿を変化させるしかないだろう」

「前は先に行ってもらうって言ってたでしょう?」


「朝会のときにそう言ったら、カイに、置いてくことができないから、調節してくれと言われた。俺たちを連れていくと本部に報告してしまってるから、置いてくことができないんだと」

「そうなんだ……」


「体力は大分戻ってきただろう? 無理せず、調整しながらいこう。ミランドたちと合わせて行動しないといけないから、遅れるわけにいかないだろう?」


「ミランド、見つけてくれるかな?」

「イータル ヴェンティの二人も付いてるから、すぐ見つけてくれるよ」


 翌日の午後、リビングで情報収集をしているとき、ミランドからショウの携帯に電話がかかってきた。


『ショウ! 見つけた! ラルいる?』

「もう見つけたのか! 今ラルに代わる。ラル、ミランドからだ。見つけたそうだ」向かいに座っているので携帯を差しだすと「本当!」受け取って「ミランド! 見つかったの!」


『ラル! 今、隣にいるから代わるね。電話口にいるから話して』

『も、もしもし? ラル?』

「あ……シンシア?」


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