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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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42-4 新たな真実

 

 ショウはまたグロサリーストアの奥さんから朝食用のバスケットを受け取ると、ジットと一緒に帰路に着いた。


「今日の朝食は何だね?」

「ジット。毎回同じことを聞きますね」

「こんないい匂いを毎回嗅がされたら、バスケットの中に何が入ってるのか、知りたくなるよ」

「ハハハッ! そうですね。今日はバターロールとライムギのリゾット。キノコのサラダとフルーツです」


「ライムギのリゾットは初耳だね」

「俺もです。生姜の良い匂いがしてるので、発汗作用がありそうですよ」

「食後に水分補給が必要だね」

「そうですね」


 しばらく無言で歩くと「今日の朝会は情報満載だったね」ジットが口火を切る。「ご老公が貴族の者を(かくま)ってたという情報は、本当なのかな?」


「元部下から何か情報が来てないんですか?」

「ああ、その事には一切触れてないよ。あとで聞いてみるつもりだ」

「何か有力な情報が来たら教えてください」

「わかった」


「それにしても、あの単発の電波の発信元が組織だったとは驚きましたね」

「彼らかもしれないと、可能性は考えていただろう?」

「……あなたは何でも見通せるようですね?」

「少しだけだがね」


「他に、何を見通したんですか?」

「まあ……それはまた後にするよ」

「なんでもったいぶるんですか?」

「話しても、先の事を(にご)されそうだからだよ」


「……そうですか。では、俺も聞くのをやめます」

「引き下がるのかね?」

「今は」

「……そうか。では、この話はここまでだ」


「楽しそうですね」口元に笑みを浮かべているので話を振ると「君と話をするのは毎回楽しいよ」

「楽しさの原因が気になりますね」

「まあ、いいじゃないか。ところで一つ懸念があるんだが、お嬢さんの具合はどうだね? 今度の移動の話は確実だと思うよ」


「そうですね。帰って確認してみます」

「向こうは配慮するようなことを言ってるが、無理ならばここに留まるほうがいいだろうね」

「その事も視野に入れてます」

「そうか」


「俺たちに構わず、ジットは先に行ってください」

「……妻がね、一緒にと言ってるんだよ」

「奥さんが?」

「お嬢さんのことが気になるらしい」

「そうですか。お気遣い、ありがとうございます」


「……娘と重ねているんだよ」

「あ……そう、なんですか」

「同じ年くらいだからね」

「……そうなんですか」

「だから、君たちが残るというのであれば、私たちも残るよ」

「ジット……」

「では、また明日、同じ時間に」


 ジットとは家の前で別れると、お腹を空かせて待っているだろう二人のために、急いで家に帰る。


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