42-2 新たな真実
「匿っていた?」ジットが聞き返すと「そうだ。幽閉ではなく、匿っていたらしいと報告がきた」
「それで?」
「保護できるのであればと、捜査しているメンバーの応援というかたちで俺たちに指令がきたので、出向いた」
「保護できたのか?」
「いや。噂ではこちらの領土に連れていかれたらしい、という曖昧な情報だけだったので、しばらく捜索したが見付けられなかった」
「なぜ、そのシルバーフェニックスに固執するんだね?」
「入ってきた情報によると、どうやら貴族の位にいる者らしく、この大陸に彼らの王国を持ってくるために、何かをやらせていたのではないか、ということだ」
(貴族だと!)ショウは危うく声に出しそうになったのを寸でで止め「本当に貴族の位の者なのか?」と聞くと「曖昧な情報とさっき言っただろう?」
「ああ、そうだったな。で、保護できずになんで戻ってきたんだ?」
「俺たちは応援として行ったので、期間限定だったんだ。今は交代した他のメンバーが捜索に当たってる」
「一つ聞いてもいいかね?」ジットが声を掛ける。「匿ってたシルバーフェニックスは何名だったのかね?」
「それは俺たちにもわからない。ただ、貴族の位のシルバーフェニックスが行方不明になったという情報だけだからな。だが、曖昧だろうが情報不足だろうが、本当に貴族の者であれば、なにがなんでも保護しなければならない」
「君たちは、貴族に付いてどのくらい知ってるんだ?」
ショウが聞くと「詳しいことはわからない。ただ、シルバーフェニックス王国と言うからには、王族が中心となる国。
そのことを踏まえれば、王族の下に貴族の位があってもおかしくない。
だから、行方不明になった者が貴族という中枢にいるのであれば、尚さら保護しなければならないというのが、俺たち組織の考えだ」
「今回の情報はどこから来たんだ?」
「組織のメンバーからだ」
「信用できるのか?」
「だから俺たちが出向いた」
「……そうか」
「こっちの報告はこれで終わりだ」カイが進める。「あんたたちの番だ」ジットを見ると「私からの報告はさっき言った、この土地の領主の館にいる元部下からのものだ」
「脅迫されているわけではなく、隣の領主に協力を求められ、手を貸しているらしい、ということだったな」確認するスタン。
「そうだ。私は屋敷に強盗が入ったという事件が信じられなくて、その点の情報を調べていた。すると、先ほどの情報がきたので、なぜご老公がそんな依頼をしてきたのか、調べているところだった」
「その依頼内容が、俺たちが出向いた内容だったというわけか」とスタンが言うので「そうなるね」
「新たに情報が手に入ったら、この場で報告してほしい」
「もちろんだ」




