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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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40-1 イータル ヴェンティからの報告 No2

 

 そして、お昼前にイータル ヴェンティたちが戻ってきたのでミランドが話を聞きにいき、昼食後、鏡に映るイータル ヴェンティからの報告を聞く。


 十五・六歳に見える彼女の名はアウラ マリス(海風)といい、最初に鏡に映る。


『昨夜、指定の領主の館の庭にある噴水にいるフロス アクアエと、話をすることができました』ショウが入れた紅茶を飲んで落ち着くと、話しはじめる。


『一ヶ月前くらい前から禁足地一帯を流れる川の水が(にご)りだしてきて、川に住む魚やフロス アクアエたちに痙攣(けいれん)などの異変が起きはじめたので、一斉に別の場所へ避難したところ、川の異変に気付いた領主が半月前にお忍びで禁足地に出向き、その後、徐々に水質が改善されてきているが、一ヶ月前に何が起きたのか、半月前に来た領主が何をしたのか、その調査のために領主の館に来ているとのことでした』


「まさか、こんなところでフロス アクアエたちのことが関わってくるとは思わなかった」

『こうなると、今起こってる他のことも、全部繋がってくると思う』キーを叩くラル。


「そうだな。まずは、一ヶ月前にこの大陸で何が起きたのか、調べる必要があるな。それと、領主は一体何をしたんだ?」考えるショウ。

「ああ?」首を(かし)げるラル。


「それで、原因は掴めたのか?」

 ミランドに聞くと鏡の映像が動き、次にアウラ リートレ(浜風)という名の年上の彼女が映り『私たちが行った晩も、領主の側近の一人が噴水の陰で、外部の者と打ち合わせをしていたそうです』


「それで噴水のところで身を潜めているのか」

「ああ……」


『どうやら川の水にヒ素のような劇薬が流されたらしく、その浄化のために、領主自ら禁足地に(おもむ)き、対応したようです』


「ヒ素だって? なんでそんなものが川の水に?」

「ああ!」ラルが怒りだすので「そうだな。自然を破壊しようとしてる」

「ああ!」

「問題は、なぜ禁足地近くの川にヒ素が混入されたのか、だな」


『ヒ素は微量だったので、魚やフロスア クアエたちも痙攣(けいれん)だけで治まったそうです』


「それは良かったが、人間も飲んだら一大事だぞ」

「ああ、ああ」


「わかってる。ヒ素を手に入れて()けるのは人間だけだと言いたいんだろう?」

「ああ!」

「犯人は人間だ。それも、禁足地近くまで行ける人間」

「……ああ……」

「誰かはこれから調べる」


『でも、どうして大量に撒かなかったんだろう?』キーを叩くラル。『微量というのが気になる』

「それは、ヒ素を直接撒いたからじゃない。ヒ素の成分が出る何かを川に落としたか入れたからだ」

「あ?」


「そこから考えられるのは、禁足地に何かしらの施設があるからかもしれない」

『その施設が原因で海流が変わるほどの磁力が発生してると言うの?』

「その可能性が考えられる」


『この事を、明日の朝食会で報告するの?』

「そのつもりだ。組織の彼らも調査に動く方向で動いてる。この機会に一気に形を付けたい」


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