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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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38-3 朝会での情報交換

 

「タキ、この依頼、すぐに対応するよう本部に連絡してくれ」持っている資料を叩くと「そうだな」タブレットの電源を入れると資料をスキャンし、メールに添付して送信する。


「闇のジルタニスさん」

「ジットでいいよ。もう、その肩書は古いからね」


「わかった。ジット、その領主に付いて知ってることを教えてくれ。それと、この禁足地のことも」

「そうだな。ただ、この領主はこの大陸の領主の中で、一番情報が少ないんだよ」

「領主会議で会ってんだろう?」


「会ってはいるが、向こうはSPを何名も連れてる古参の領主だ。挨拶する程度しか交流がもてなかったよ。他の領主も一目置いてるご老公だ。一介の狩り人の指揮官がおいそれと話し掛けられる存在ではないよ」


「まあ、そうだろうな。で、この禁足地はどんな所なんだ?」

「禁足地は禁足地だ。人間が踏み込んではいけない場所だよ」

「それは知ってるよ! なんで禁足地になったのかを聞いてんだ!」


「さすがにそこまではわからないね。この土地の近くに住む住民なら知ってるかもしれないが」

「……タキ」

「議事録を取ってるから、心配するな」


「俺も調べてみる」ショウが声を掛けると「頼むよ。あんたのリサーチの腕は買ってるからな」

「もちろん、私も調べるよ。元部下がまだ領主の屋敷にいるからね」

「ああ、頼むよ」


 ここで朝会は終了し、ショウはジットと一緒に帰途についた。



「今日の朝食は何をもらったのかな?」

 ショウが持つバスケットからいい匂いがしてくるので、ジットが気になるらしい。


「今日は、マフィンと厚切りベーコンにスクランブルエッグ、根野菜の煮物と夏野菜のサラダだそうです」

「それはおいしそうだね。今朝のサンドイッチといい、料理上手な人は重要だね」


「そうですね。でも、奥さんが困ってませんか?」

「自分の分の朝食を作るだけでいいから、楽だと言ってるよ」

「奥さんも料理上手ですからね。ラルが焼き立てのパンをいつもほおばってますよ」

「ハハハッ! そうか! 家内に言っておくよ!」



 ジットとは彼の家の前で別れ、急いで家に戻ると、ラルとミランドが、今日もリビングのテーブルに朝食のセッティングをして座っていた。


「ああ!」

『朝食が帰ってきた!』

「朝食を持って帰ってきただろう?」

『同じ』


 ショウがバスケットをテーブルにおくと立ち上がって蓋をあけ、なにが入っているか確認する。

「二人とも行儀悪いぞ。座って待ってろ」


 手を洗って戻ってくるとバスケットからお皿を取りだし、テーブルに置いていく。


「ラル、冷蔵庫にママレードとブルーベリーのジャムがあったろう? 持ってきてくれ」

「あ!」立ち上がるとキッチンへ走るので「走るな! まったく」ため息を吐くと「ミランド、ラルはベーコン食べられないから、先に皿へ取ってくれ」


『了解!』嬉しそうに厚切りベーコンをショウと自分の皿に取る。


 ラルがジャムを持ってくると、食べはじめた。


『ショウは朝会で食べてきたんでしょう? まだ食べるの?』と聞くミランドに「俺が帰ってからラルと食べることを知ってるから、俺の分だけ少ないんだ」


『そうなんだ。で、これだけの量を用意してくれるの? 私のこと言ってないでしょう?』

「もちろん。間食分も含まれてるんだよ」

『そういう名目で量を増やしてもらってるんだ』

「そういうこと」


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