38-1 朝会での情報交換
食事が終わると、それぞれの調査内容を報告していく。
「前に聞いた海流と気流の変化について、環境調査と海流のシミュレーションで、これから起こると予測される自然現象の確認に入っている。
結果がでるまで数日かかるので、連絡が来しだいここで報告する」
タキがタブレットを見ながら話すと「次は俺」
カイが自分のタブレットのデータをめくり「別調査に行ってたスタンとテッドが今日、村に戻ってくる。調査内容はすでに組織に連絡してあるから、その後の指示待ちになってる」
「彼らの調査内容は教えてもらえないんだったね?」ジットが聞くと「それは、俺たちから話すことができないからな」
「ああ、そうだったね」
「で、そっちは何かあるか?」
「私から、もう一つ情報を提供しようと思う」ジットが話しだすと「また、ここの領主の情報か?」
「そうだ。その情報はクセだ」
「クセ?」目を丸くするカイ。「クセって、なくて七癖のクセか?」
「その諺、よく知ってるな、カイ」
「お前さ、俺のことバカだと思ってる?」
「いや、意外だと思った」
「まあいいや。で、クセって領主のクセ?」
「そうだ。二人とも変わったクセを持ってる」
「変わったクセね。どんなものなんだ?」
「表の顔の兄は、ビーグル犬のぬいぐるみのコレクターだ。以前飼っていたビーグル犬が亡くなった後、また飼って亡くなるのを見るのが辛いという理由から、亡くならないぬいぐるみを集めるようになったそうだ。そのため、その手の即売会や展示会にお忍びで行ってる」
「気持ちはわかる。なるほどな。確かに面白いわ。で、その事が何か俺たちに利点があるのか?」
「直接接触するチャンスがある」
「ああ! 確かに。で、手強い弟にはそんなクセないだろう?」
「普通はそう思うだろうね」
「あるのか!」
「裏の顔の弟は、ビクスドールという陶器でできた人形の収集家だ」
「……ビクスドール? 人形?」
「大分前の貴族の令嬢の間で流行った、陶器や磁器で作られた精巧な人形のことだ」ショウが補足する。「俺も詳しくは知らないけど、コレクションしてるコレクターがかなりいるらしい。それにしても、なぜビクスドールなんですか?」
「それは、亡くなった母親が好きだったからだよ。母親のコレクションを引き継いでるんだ」
「そうなのか。では、オークションなどに出品されたら参加するんだろうな」
「稀少なものなら、自ら出向いて競り落とすよ」
「交渉材料に使えるってことですか」
「そうだ」




