表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
239/723

29-1 事件の真相調査

 

「ラル、何か情報を掴んだか?」

 リビングのテーブルでPCを操作している彼女に声を掛けると「ああ……」首を横に振る。

「そうか」


「ああ?」

「こっちはいくつか情報をもらったぞ」ジットの話をすると「ああ」ラルは感心するように頷き、PCに文字を打つ。


『大分範囲を広げて調べてみたけど、これといって気になる事件も情報も見つからなかったから、ジットのカムフラージュ説が正しいのかもしれない』

「俺も、聞いたときは、なるほど、と納得したよ」

「ああ」自分も同じ意見だとラルが頷く。


「まあ、明日の情報交換で、新たに進捗(しんちょく)が確認できるだろう。その時、これからの行動もわかるだろうから、明日の情報を聞いてから、これからどうするか決めよう」

「ああ」


「そういえば、薬は飲んだか?」

「ああ」PC横に置いてある薬のポーチを指すので「せめて話ができるようになるといいんだが」

「……ああ」

「落ち込むな。さあ、調査の続きを始めよう」PCの電源を入れる。


 その後、ショウが調べても「領主の館 強盗事件]」に関係することは見つからなかったので、ジットの説が有力と判断し、その事をチャットで伝えると彼も調査した結果、何も出てこなかったので、一旦、調査を打ち切ると言ってきた。


 翌日の情報交換時にそのことを報告し、向こうの出方を見ようということで話は終わり「結局、領主が起こした騒動に振り回されただけかもしれないな」

『まだ決定したわけじゃないけど、騒がせ過ぎ』ラルがキーを叩く。


「しかし、もしカムフラージュだったとしたら、ずいぶんと肝が小さい領主だな。どんな人物なんだ?」ショウが領主のことを検索すると、予想と反した写真が出てきた。


「身長百九十五センチ。体重百二十キロ?」

 ハンマー投げの選手になれそうな体格の四十代の男性が写っている。

「これで肝が小さいのか?」とても信じられず悩むむと、隣のラルがモニターを覗きこみ「ああ?」眉間にしわを寄せ、違うんじゃない? というような顔を向ける。


「どう見ても、通常の三倍くらい大きい肝を持ってるぞ」

「ああ」同意するラルがキーを叩く。『やっぱり、何か企んでる気がする』

「俺もそんな気がするな」


『そうだ! イータルヴェンティに様子を見に行ってもらうよう、頼んでみる』

「イータルヴェンティって……」

『風の精霊だよ』

「ああ! 組織のメンバーを、この村へ来るよう手配してくれたんだっけ?」


『そうだよ。彼女たちなら見つかることなく様子を確認できるから』立 ち上がると自分の部屋へ戻り、額にチップを付けて人間の姿になって出てくると「あ!」突然、立ち止まる。


「どうした?」

「……ああ」

「……ああ、そうだな。あ、しか言えなかったら、依頼できないな」

「ああ!」頭を抱えるので「依頼書でも作るか? 文字くらい読めるだろう?」

「あ、ああ……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ