27-3 新たな調査
少ししてショウがラルの部屋をノックし「入るぞ」声を掛けてドアを開けると「ああ」ラルがベッドの上に座って困った顔をしていた。
「どうした?」
「……ああ」ソワソワして落ち着かない。
「なにかあったのか?」ベッドに向かい合って腰かけると「……ああ……」
「夜更かしは体に良くないから、早く寝ろと言っただろう」すると「……ああ」俯いたままショウのシャツを引っ張るので「ああ! そうか。あのシャツは洗濯機の中だ。ちょっと待ってろ」
一旦、部屋からでて戻ってくると「これがほしいんだろう?」自分が使っているタオルケットを渡す。
「ああ?」
「いいのかって? そうだな。ここで寝ていいなら」するとベッドから降りるので「そうじゃない!」
「あ?」
「あ? じゃない。そのタオルケットがほしいなら、俺の寝る場所を確保しろと言ってるんだ。ここに! お前の隣に!」トントンとラルのベッドを叩くと「……ああ」
「そうだ、ここにだ」
「ああ……」
「お前が嫌がることをするわけないだろう」
「ああ……ああ……」
「……とにかく、早く話せるようになれ。何を言ってるのか推測するのが大変だ」と言うと、俯いて「あ……あ……」タオルケットを握りしめるので「また自分を責める。お前のせいじゃないと何回言えばわかるんだ」
「ああ! ああ……」
「ストップ!」
「あ……」
「いいから、奥に行って横になれ」
なぜが家に置いてあるベッドはどれもセミダブルで、前の住人はそんなに大柄なのかと思うほど。
ラルが移動して横になるとショウはラルのタオルケットを掛け、隣に横になる。
すると、ラルがショウのタオルケットを握りしめるので「俺の匂いを嗅いで寝られるのか?」
「……ああ」
「まあ、寝られるということは緊張が取れるということだからな。良しとするか。明日から忙しくなるぞ。お休み」リモコンで部屋の電気を消す。
翌朝、ラルが目を覚ますとショウはすでに起きていて、いい匂いが漂ってくる。
ベッドから出るとまた頭からバスタオルをかぶり、顔を洗うために部屋から出ると、洗面所へ向かう。
しかし、洗面所の鏡には、シルバーフェニックスの姿が映っていた。
あの薬の飲み合わせは一時的なことらしい。
ガッカリしてリビングへ行くと、バスタオルを頭からかぶっている姿を見て「ダメだったのか?」ショウが聞いてくる。
小さく頷くと「仕方ない。まずは朝めし食べて、もう一度薬を飲んでみろ」
「ああ」
「食べ終わったらグループから返事が来てるかもしれないから、確認して、さらに現状を報告しよう」
「……ああ」
「ほら、突っ立ってないで座れ。今日から忙しくなるから、しっかり食べろよ」
「ああ」




