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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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27-3 新たな調査

 

 少ししてショウがラルの部屋をノックし「入るぞ」声を掛けてドアを開けると「ああ」ラルがベッドの上に座って困った顔をしていた。


「どうした?」

「……ああ」ソワソワして落ち着かない。

「なにかあったのか?」ベッドに向かい合って腰かけると「……ああ……」


「夜更かしは体に良くないから、早く寝ろと言っただろう」すると「……ああ」俯いたままショウのシャツを引っ張るので「ああ! そうか。あのシャツは洗濯機の中だ。ちょっと待ってろ」

 一旦、部屋からでて戻ってくると「これがほしいんだろう?」自分が使っているタオルケットを渡す。


「ああ?」

「いいのかって? そうだな。ここで寝ていいなら」するとベッドから降りるので「そうじゃない!」

「あ?」


「あ? じゃない。そのタオルケットがほしいなら、俺の寝る場所を確保しろと言ってるんだ。ここに! お前の隣に!」トントンとラルのベッドを叩くと「……ああ」

「そうだ、ここにだ」

「ああ……」

「お前が嫌がることをするわけないだろう」

「ああ……ああ……」


「……とにかく、早く話せるようになれ。何を言ってるのか推測するのが大変だ」と言うと、俯いて「あ……あ……」タオルケットを握りしめるので「また自分を責める。お前のせいじゃないと何回言えばわかるんだ」


「ああ! ああ……」

「ストップ!」

「あ……」

「いいから、奥に行って横になれ」


 なぜが家に置いてあるベッドはどれもセミダブルで、前の住人はそんなに大柄なのかと思うほど。

 ラルが移動して横になるとショウはラルのタオルケットを掛け、隣に横になる。

 すると、ラルがショウのタオルケットを握りしめるので「俺の匂いを嗅いで寝られるのか?」


「……ああ」

「まあ、寝られるということは緊張が取れるということだからな。良しとするか。明日から忙しくなるぞ。お休み」リモコンで部屋の電気を消す。


 翌朝、ラルが目を覚ますとショウはすでに起きていて、いい匂いが漂ってくる。

 ベッドから出るとまた頭からバスタオルをかぶり、顔を洗うために部屋から出ると、洗面所へ向かう。


 しかし、洗面所の鏡には、シルバーフェニックスの姿が映っていた。

 あの薬の飲み合わせは一時的なことらしい。


 ガッカリしてリビングへ行くと、バスタオルを頭からかぶっている姿を見て「ダメだったのか?」ショウが聞いてくる。

 小さく頷くと「仕方ない。まずは朝めし食べて、もう一度薬を飲んでみろ」

「ああ」


「食べ終わったらグループから返事が来てるかもしれないから、確認して、さらに現状を報告しよう」

「……ああ」

「ほら、突っ立ってないで座れ。今日から忙しくなるから、しっかり食べろよ」

「ああ」


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