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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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26-1 意外な可能性

 

「なぜ、別の計画が動いていると思われるのか、あなたの見解を教えてください」

「先に、君の意見を聞きたいね。聞いてきたのは君なのだから」


「そうですね。わかりました。なぜ俺が裏に何かあると思ったのか。それは、この大陸の領主たちが中心となって、今回の事を動いているらしいことがわかったからです」


「デンジャーゾーンの領主たちが?」


「俺も時々情報を取るために、裏社会のネットワークにアクセスするんですが、この大陸外で起こる幽閉先の襲撃に、ある特徴があることに気が付いたんです」

「それは?」


「それは、地域ごとに領主の狩るエリアが決まってるらしい、ということです」

「狩るエリア?」


「そうです。わかりやすく言うと、世界を十三等分に分け、それぞれのエリアを各領主が縄張りとして襲撃し、幽閉先から強奪してくるらしいんです」

「なんだって?」


「あまりにも統率が取れ過ぎているんですよ。だから、もしかしたら、と思ったんです」

「なるほど」


「あなたも、この大陸にあなたたちの王国を持ってくる可能性があると、情報を掴んでますよね? なので、この事と関連があるかもしれないと考えました」

「……それは興味深い見解だね」


「……それと、ケッドマンの屋敷で狩り人のリーダーから、この大陸の領主間で、お互いのコレクションには手を出さない、という協定が交わされていると聞いて、さらに疑惑が深くなりました」

「……なるほど。そんな事が行われているのか」


「この件に関して、異様に結束している点が気になります」

「私も領主たちの行動には注意を払っているが、なかなかボロを出さないので、監視に留まっているんだよ」


「そうですか。それで、この大陸にあなた方の王国を持ってくる可能性の情報は、どこから仕入れたんですか?」

「……やはり、気になるか」


「もちろんです。そして、何か別の情報も持ってますよね?」

「まあ、いくつかね」

「それは、教えてもらえないんですか?」

「……どこまで話そうか、考えてるところだよ」


「それで、どの情報をいただけるんですか?」

「そうだね。デンジャーゾーンにいるのだから、注意を兼ねて一つ情報を提供しようと思う」


「どんなことですか?」

「まだ確証が取れていないので、あくまでも予測範囲内ということで聞いてほしい」

「わかりました」


「十三人の領主の中で、陣頭指揮を取ってる者がいるらしい」

「陣頭指揮を? 本当ですか?」


「そこから、その者に助言をしている何者かがいるのではないかと、予測してる」

「……陣頭指揮を取ってる領主の陰に、実行犯らしき何者かがいるというんですか?」

「予測だが、そう考えている」

「なぜですか?」

「数か月前から、潮の流れが変わってきたんだ」


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