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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
221/725

22-1 解決しない問題


「お前、その姿……」

「アッ、戻っちゃった……どうしよう!」慌てだすので「落ち着け。家の中だから大丈夫だ。とにかく部屋に戻れ」

「うん」PCを持って自室へ急ぐと、ドアを開けてすぐ閉め「カーテンが開いてて、外から見える」


「そうか。今朝起きたとき、変化できたからカーテンと窓を開けたんだ」ショウは立ち上がると「こっちに戻ってろ。パーカーを取ってくる」

 自分の部屋へ行くとバックからパーカーを取りだし、持ってきてラルに渡すと、急いで着て目深(まぶか)にフードをかぶり「薬、効かなかった……」


「効いただろう。今回元に戻ったのは、やっぱり感情の変化だ」

「感情の変化?」


「精神的に厳しい状況になることが要因なのは確実だ」

「……そうだと思う」


「さっきは言い過ぎたと思った矢先、元に戻った。俺が精神的に追い詰めたからだ。それは悪かったと思ってる」

「ショウが悪いんじゃないから」


「俺が悪いだろう。精神的に負担を掛けることが良くないと言っておいて、俺が追い詰めた」

「そんなことない! 私が負担掛けてるが悪いの!」


「そうだ。こんなふうに追い詰めた。それがさらに悪化させた原因だ」

「……」


「ごめんな。せっかく変化できるようになったのに。俺のせいだ」頭を抱えるので「ショウのせいじゃないから!」

「……ごめん」

「ショウ!」


「移動まで時間がないってのに……」

「……置いてって」

「なんだって?」


「私は置いてって。ここに残る」

「なにを言ってるんだ。一人だったら何もできないだろう」

「少し多めに食料を買っておいて」


「ダメだ。お前が残るなら俺も残る。当然だろう?」

「それじゃ、せっかくのチャンスを逃しちゃう」

「ジットたちは先に行ってもらえばいい。連絡先は交換してるから大丈夫だ」


「ダメだよ。急に一緒に行けなくなったなんて言ったら、怪しまれる」

「そんな事はない。やっぱり、もう少し様子を見てから行くと言えばいいだけだ」


「……ごめんなさい……」

「謝るのは俺のほうだ。悪かった」

「でも、どうしよう……」


「とにかく、一時的でも薬の飲み合わせは効いてると思う。夕飯後にまた薬を飲んで、経過を見てみよう。もしかしたら、また変われるかもしれない」

「……変われる、かな?」


「まずは試してみよう。それと、疲れも原因の一つかもしれないから、夕飯まで横になってろ」

 ショウは立ち上がるとラルの部屋へいき、窓を閉めてカーテンを引くとリモコンのスイッチを押す。 


「これで大丈夫だ」ドアの所にいるラルに声をかけ、ベッドに横になるよう(うなが)す。


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