22-1 解決しない問題
「お前、その姿……」
「アッ、戻っちゃった……どうしよう!」慌てだすので「落ち着け。家の中だから大丈夫だ。とにかく部屋に戻れ」
「うん」PCを持って自室へ急ぐと、ドアを開けてすぐ閉め「カーテンが開いてて、外から見える」
「そうか。今朝起きたとき、変化できたからカーテンと窓を開けたんだ」ショウは立ち上がると「こっちに戻ってろ。パーカーを取ってくる」
自分の部屋へ行くとバックからパーカーを取りだし、持ってきてラルに渡すと、急いで着て目深にフードをかぶり「薬、効かなかった……」
「効いただろう。今回元に戻ったのは、やっぱり感情の変化だ」
「感情の変化?」
「精神的に厳しい状況になることが要因なのは確実だ」
「……そうだと思う」
「さっきは言い過ぎたと思った矢先、元に戻った。俺が精神的に追い詰めたからだ。それは悪かったと思ってる」
「ショウが悪いんじゃないから」
「俺が悪いだろう。精神的に負担を掛けることが良くないと言っておいて、俺が追い詰めた」
「そんなことない! 私が負担掛けてるが悪いの!」
「そうだ。こんなふうに追い詰めた。それがさらに悪化させた原因だ」
「……」
「ごめんな。せっかく変化できるようになったのに。俺のせいだ」頭を抱えるので「ショウのせいじゃないから!」
「……ごめん」
「ショウ!」
「移動まで時間がないってのに……」
「……置いてって」
「なんだって?」
「私は置いてって。ここに残る」
「なにを言ってるんだ。一人だったら何もできないだろう」
「少し多めに食料を買っておいて」
「ダメだ。お前が残るなら俺も残る。当然だろう?」
「それじゃ、せっかくのチャンスを逃しちゃう」
「ジットたちは先に行ってもらえばいい。連絡先は交換してるから大丈夫だ」
「ダメだよ。急に一緒に行けなくなったなんて言ったら、怪しまれる」
「そんな事はない。やっぱり、もう少し様子を見てから行くと言えばいいだけだ」
「……ごめんなさい……」
「謝るのは俺のほうだ。悪かった」
「でも、どうしよう……」
「とにかく、一時的でも薬の飲み合わせは効いてると思う。夕飯後にまた薬を飲んで、経過を見てみよう。もしかしたら、また変われるかもしれない」
「……変われる、かな?」
「まずは試してみよう。それと、疲れも原因の一つかもしれないから、夕飯まで横になってろ」
ショウは立ち上がるとラルの部屋へいき、窓を閉めてカーテンを引くとリモコンのスイッチを押す。
「これで大丈夫だ」ドアの所にいるラルに声をかけ、ベッドに横になるよう促す。




