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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第一章 保護活動
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15-1 PFS発足のきっかけ

 

 あれから一年。

 ショウはPFSに残って活動を続けていた。

 PFSが活動しているということは、狩りは続いているということである。


 そのPFSができたキッカケは、狩りが始まってすぐのことだった。

 各国の農村地帯を中心にある変化が起こりはじめたのだ。


 それは、土地が干上がりだしたことである。


 地元の人達はスプリンクラーを設置して水を散布(さんぷ)したり、畑の真ん中に川を造って土を(うるお)したりもしたが、この現象を止めることができず、干上がっていく土地は範囲を広げていった。


 このままでは作物が育たなくなり、家畜は激減するだろう。そうなると、畜産や農業に携わっている人達は収入がなくなる。


 大変な死活問題になるのだ。


 そのため、各国の政府は同じ現象が起きている他国と提携(ていけい)して調査チームを結成し、情報交換をしつつデータ収集に努めたところ、一つのことが判明した。


 干上がりだした土地で大勢のシルバーフェニックスが捕まっていた、という共通点である。


 伝説のシルバーフェニックス族は、自然界を自由に操ることができるということになっているので、各国の調査チームの責任者は話し合いの場を設け、土地が干上がりはじめたことと彼らの(つな)がりについて討論した結果、それぞれの国の政府に中間報告を提出した。


 シルバーフェニックスたちが復讐(ふくしゅう)しているのか、彼らがいなくなったせいなのか、そこのところはこれから調査するが、彼らが捕獲(ほかく)されたあとから土地が干上がりはじめていることは紛れもない事実である。従って、捕獲した彼らを解放し、狩りを止めればこの現象は収まるものと推測します。


 各国政府は頭を抱えた。


 いかに大変な事態とはいえ、伝説に出てくる内容から推測し、そこから出た結果を鵜呑(うの)みにすることはできないというのが理由である。


 結局、次の調査報告が届くまで保留にしようという意見でまとまり、狩りを中止したほうがいいという報告は受け入れられなかった。



 そしてショウは、局へ密告があった情報を確かめるために、ある暑い国へ来ていた。

 この国の政務次官が、数名のシルバーフェニックスを自宅に幽閉しているというものである。


 アルドの事件以後、もう一度、彼らの人権が国際政府連盟の議会に出たが、またしても認めないということで終わった。


 持ちつ持たれつで(つな)がっている国際政府連盟の上層部と彼らを幽閉している権力者は今回も結論を先延ばしにして、今の状態を維持したのである。


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