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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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21-1 忍び寄る破壊の前兆

 

「早く手を打たないと、この大陸から出られなくなる」

「突破口を作らないといけないのか。難しいな」

「また、キラの性格に戻らないといけない」

「キラの性格?」


「ショウと会ったころの性格。前に話したでしょう? 自己催眠で別人格になってたって」

「どうしてそんなことしないといけないんだ?」

「今の私では、任務を遂行するのが難しいから」

「……そこまでしなくても」


「時間がないの」

「なんの?」


「この大陸の異変を止めるための時間が限られてきてる」

「そんなに状況が進んでるのか?」

「もっと早く外に出るべきだった」


「あの状態では無理だった。他の二組のメンバーは気付かなかったのか?」

「グループからの連絡がなかったから、別の場所では確認できないのか、私と同じように家から出られなかったのかもしれない」

「では、戻ったらこの事を報告して、情報収集してもらわないといけない。戻ろう」

 二人は雑木林から出ると、来た道を引きかえす。


「急ぐな。ここでまた体調を崩したら、戻ってしまうかもしれないだろう?」

「でも……」

「焦る気持ちはわかるが、まだ対応するだけの時間はあるだろう?」

「そうだけど……」

「いいから、ゆっくり歩け。元は気分転換で出てきたんだ」ショウが歩く速度を落とすので、ラルも仕方なく歩調を合わせる。


 その後、家に戻るとリビングにノートPCを持ってきて、また向かい合わせにテーブルに座ると、それぞれメールを作成して送信する。


「どのくらいで返信が来るか」

「少し時間が掛かると思う」

「そうだな。何か冷たいものでも作ろう。アイスティーでいいか?」


「私がやる」

「いい。俺がやるから座ってろ」

「大丈夫」

「言うことを聞け。久しぶりに長時間歩いた。体に負担が掛かってるから、ゆっくりしてろ」立ち上がるとキッチンへ行く。


 ショウがアイスティーをトレーに乗せて戻ってくると「グループから返信が来た」

「エエッ、こんなに早く来たのか?」グラスをラルの前におく。


「やっぱり、大陸にいる他の二組のチームからは異常現象の連絡は来てなくて、念のために確認するよう連絡したから、返信が来たら教えてくれるって」

「他の二組は南側と西側にいるんだよな?」

「うん」


「俺たちが上陸したのは北側。そこから移動して、今は大陸のど真ん中あたり。大陸の中心から歪みができ始めてるということか?」

「そうだと思う」


「もし、俺たちが内陸に来なかったら気付かなったということか」

「そうだね」


「この辺一帯に出てる妨害電波のことも気になるし、レジスタンスの村ということも、何か関係があるのか?」

「この村の人達は関係ないと思うよ」

「まあ、俺もその点は違うと思うけど、妨害電波のことはジットが知ってるらしいから、あとで聞いてみるか」


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