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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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18-2 できつつある新しい道

 

 ショウは自分のノートPCを部屋から持ってくると電源を入れ、今日の話し合いで聞いた内容をグループへ報告するためにメールを作成して送信すると、ラルが薬のポーチから幾つか取り出しているので「何してるんだ?」


「薬で変化させる方法を試せそうだから、持ってる薬に該当するものがあるか、確認してるの」薬がありすぎるのでテーブルの上にポーチの中身をひっくり返し、種類別に分けはじめる。


「それにしても、相変わらずすごい種類だな。どうだ? ありそうか?」


「あるにはあるんだけど、頻繁(ひんぱん)に使うものじゃないから数が少なくて。メールには飲んでるうちに変化できるようになったとあるから、手持ちがあるうちに変化できるようになるといいんだけど」


「とにかく、姿を変化させることができるようになるというのであれば、急場しのぎでもやってみるべきだろう」テーブルの端に置いてある水差しからコップに水を入れると、ラルの前に置く。


「それで、どんな組み合わせなんだ?」

「それが、鉄分と栄養剤が数種類」

「鉄分? 貧血を起こしてるのか?」

「詳しい説明は書いてなかったけど、目眩(めまい)を起こしやすいから、血圧が低くなってるのかもしれない」


「今のお前に、顔色が良くないとか言えないからな」

「これで顔色は普通」

「わかってるよ。でも、血液は赤いのかって聞きたくなるくらい肌が白いからさ」


「血液が青かったら納得する?」

「しねえよ」

「しないんだ」

「いいから、早く飲め」と言われ、該当する薬の錠剤をパッケージから出していくと、一粒ずつ飲みはじめる。


「思ったほど飲まないんだな」

「そうだね。四錠だけだから」

「これで明日の朝、変化できてるといいな」

「……うん」頷くものの、あまり信じてはいない顔をする。


「まあ、俺としては、今のままのほうがいいんだけどな」

「エッ?」

「独り言」PCの電源を切ると「じゃあ、今日はこれで寝ろよ」と言って部屋から出ていく。



 翌朝。

 ショウはいつもの時間に起きると朝食を用意し、ラルの部屋のドアをノックする。

「起きてるか?」

 少しすると鍵が開く音がしてドアが開き、ラルが顔をだす。


「アッ、もう変化できるようになったのか?」

「うん。私はすぐに効いたみたい」黒髪でブルーグレーの瞳になっている。


「それは良かった。で、体調はどうなんだ?」

「ん……まだダルさがあるから、本調子じゃない」


「そうか。まあ、変化できるようになっただけでも良しとするか。でも、あまり無茶するなよ。まだ完全に体力が戻ったわけじゃないからな」

「……うん」

「じゃあ朝食にしよう。顔洗ってこい」


 久しぶりに頭からバスタオルをかぶらず、ショウから「壁に激突するなよ」と言われずに部屋から出ると、洗面所へ向かう。


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