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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第一章 保護活動
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14 またしても

 

「これで第一段階クリアだな」ショウが一息つくと「お前のお陰で、黒幕への足掛かりができたよ」友人の刑事が彼の肩を叩くが「しかし、数名の()(びと)たちを取り逃してしまったようだ」


「どういうことだ?」

「テーブルに残されたカップの数と捕まえた狩り人の数が合わないんだ」

「なんだって!」


「せっかく情報をくれたのに全員捕まえることができなくて、申し訳ない」

「一歩部屋から出ればパーティに来た招待客としてまぎれることができるから、仕方ない」


「狩り人から雇い主を特定できれば、狩りを少しでも食い止めることができるんだが」

「それでも、今回は大きな一歩となる」


「そうだな。今回は大健闘(だいけんとう)だ」

「それは凄腕(すごうで)のパートナーがいたからさ」


「そのパートナーを紹介してくれよ。いろいろと聞きたいことがあるし、美人なんだろう?」

「でも気が強いぞ。気を付けろよ」言い返してタクシー乗り場のほうを見ると、キラの姿がない。

「あれ? どこ行ったんだ?」辺りを見回すが、どこにも姿が見えない。


 仕方がないので近くの人に彼女のことを聞くと「ああ、あの女性なら奥の駐車場のほうへ歩いていきましたよ」と教えてくれたので「先に車のところへ戻ったらしい」友人の刑事に伝えると駐車場へ向かった。


 しかし、乗ってきた車のところへ戻ってきたが、キラの姿はなかった。


「いないじゃないか。本当にこっちへ来たのか?」

「どこ行ったんだ?」辺りを見回すと「おい。車のフロントガラスに何か付いてるぞ」小さな紙がセロハンテープで()めてあった。


「何か書いてある」


『ショウ、お疲れ様でした。彼らは安全なところへ避難させたから心配しないでね。それと、ショウのお友達の刑事さん、黒幕退治をお願いするわ』


「おい! これはどういうことなんだ!」

「畜生! またやられた!」



 この後、黒幕の捜査がアルドたちの供述(きょうじゅつ)を元に進められ、PFS幹部と地元警察の警部がつるんでの犯行だったことが判明した。


 そして、DRの謎も解けた。

 ダークルーラ。

 狩りに使われている鏡の名前が暗号となっていたのだ。


 彼らを助けるために作られた組織の幹部と警部が私服を肥やすために行われたこの犯罪は、一般住民からものすごい反発を買った。


 一時、PFSは解散するという噂が流れたが、せっかく築いたネットワークを無駄にするのはもったいないという一般住民からの声で、メンバーの再教育を行い、常に監視を置くということで、活動は続行されることになった。


 一方、キラはあの事件以降PFSには戻っておらず、部屋も引き払っていて行方不明。

 携帯も解約していて繋がらない。


 そして、アルドの屋敷から救出したシルバーフェニックスたちは指定施設に来ておらず、前に助けだしたエレナやアンジュも依然として行方が(つか)めなかったため、キラは重要参考人として、警察のリストに載ることになってしまった。


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