14-4 謎の組織との接触
「PFS局員?」怪訝な顔をするスタンが「証拠は?」と言うので「ない」と答えると「それでは話にならない」
「辞めてから大分経つからな」
「PFS局員だったとして、狩り人として雇われたというのは本当かよ」確認する茶髪のカイに「ああ、俺たちだ」答えると「ふうん、生きてたんだ」
「で、彼らはどうしたね?」ジット爺さんが聞くので「逃がしたわ」ラルが答えると「どこへ?」さらに聞いてくるので「森の中よ」
「危険だぞ!」口を挟むタキ。
「いえ、安全よ」言い返すと「なぜ言い切れる」
「彼らがそう言ったからよ」
「……信用できないな」
「ソックリ言い返せるわよ」
「俺たちが偽物だとでも言うのかよ」睨むカイに「そうよ」言い返すラル。
「確かに、身元を証明できるもんはねえな。けど、本当にあんたら狩り人なのか?」
「まさか。成り行きで、狩り人のメンバーになることになったんだ」今度はショウが答える。
「成り行きじゃなくて計画通りじゃねえのか?」
「狩り人が幽閉されてる彼らを逃がすか?」
「まあ、それはねえな。しかし、ずいぶんと無謀なことすんな。捕まったらただじゃ済まねえぞ」
「捕まるようなドジは踏まなよ」
「それは、それは、御見それしました」
ショウたちの発言や態度を見て興味を持ったのか、スタンが探るような目つきで「そっちの彼女は大分具合が悪そうだが、本当に狩り人のメンバーに入ったのか?」ラルを見るので「この大陸の暑さに当てられただけだ。この暑さは他の土地ではないからな」
「で、なぜこの大陸に来た? どうやって潜り込んだんだよ」カイが突っ込んで聞いてくるので「あんたらが噂されてる組織のメンバーかわからない今、手の内は明かせない」
「確かにそうだな」クスッと笑う。
「どうやら、目的は私たちと同じみたいだな」ジットが話に入ると「ここでの話は、だ」タキが言い直す。
「とにかく、あなた方の身元は調べさせてもらいます。構いませんね?」テッドが確認するので「もちろんだ」ジットが答えると「俺たちのことは、PFSのメンバーファイルに残ってるだろうから、照会してもらえばわかる」
「調べ終わったら知らせる。その時に俺たちのことも証明できるだろう」スタンが締めくくるので「あんたたちには離れを貸すよ」グロサリーストアの主人が声を掛けると「では、私たちは帰ろうか」席を立つジットがラルたちに声を掛ける。




