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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第一章 保護活動
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2-1 保護活動

本日から投稿を再開しましたので、よろしくお願いします。

 

 ゴツッ!

「いったーい! まったく、どうしてこんなにパイプが()きだしになってるのよ」


 頭を押さえてうずくまる。


 この街には似つかわしくない、ゴテゴテに飾りたてられた、有名大企業本社、七十階建てのビルの六十九階の通風孔(つうふうこう)が現在地。


「大金使ってこんなどでかいビル建てたって、設計士の質をケチったらダメじゃない。表面だけキレイにしても、裏側が汚かったら評価が下がるわ!」


 狭い通風孔の中を、目的地へ向かって()っていく。



  カツッ!

 警備回路が止まったのを確認すると、通風孔から通路へ降りる。


「目標階到着。さてと、警備回路が止まってるのは十五分。その間に済ませなきゃ」


 腕時計を見て時間を確認すると、飾りたてられた通路の奥にある重役室の重厚なドアへ()けより、静かに開ける。



 カチャッ。

「コンピューターにばかり頼ってないで、こういう重要なところには、ちゃんと警備員を配置しないとダメじゃない、なんてね」


 中に入るとそこは元会議室だったようで、木目調(もくめちょう)のシックな部屋の奥半分を使い、ガラスで仕切られた小部屋が二つあった。


 向かって左側には、黒髪に()るような目で侵入者を見ている、二十代後半くらいに見える長身の男がいて、ガラス越しの右側には、銀髪にエメラルドグリーンの瞳をした肌の白い五歳くらいの少女が、ガラス越しにいる男にすがるような姿勢で、怯えた目を侵入者に向けている。


 監禁されている男は入ってきた女を頭の先から足の先まで観察し、何者なのか分析しているようだ。


 侵入者は黒いレザーの服を着た小柄な二十代前半くらいに見える女で、ほどけば長いだろうと思われる濃いブラウンの髪を無造作に頭の後ろで束ね、オシャレは忘れていないのか、オレンジがかった赤い口紅に変わった形のイヤリングを付け、赤外線探知用の眼鏡を掛けている。


「こんな夜中にここへ来るのは見回りの警備員しかいないが、どう見てもそうは思えないし、ここの社員にも見えない。お前、何者だ?」


「見張りなら閉じ込められてるはずはないし、ここの社員でもなさそうだし、用心棒にも見えない。あんたこそ何者よ」


「こっちが先に聞いてんだ!」

「いきがっても、そんな所に閉じ込められてる姿を見たら、ちっとも恐くないわよ」


「アレッ? お姉ちゃんは」


「シッ、助けにきたわよ」女は口の前に指を立て、少女が閉じ込められているほうのガラスに近寄ると、男の(そば)から離れて()け寄ってくる。


「エリナ、こいつを知ってるのか?」ガラス越しに男が聞くと「お兄ちゃん、このお姉ちゃんは味方よ」笑顔で答えるので「味方? こいつが?」女を指さす。


「今、ガラスを開けるから下がってて」女はエレナに声を掛け、ドア横に設置されているコンピューターのところへ行き、たくさん並んでいるボタンの一つを押すと、エレナがいる部屋のガラスだけが消える。


 女はエレナのところへ行き、しゃがむと「大丈夫だった?」

「うん! 大丈夫!」


「じゃあ、早くここから出ましょう」少女の手を引き、部屋から出ようとすると「ちょっと待てよ。俺を置いてく気か?」ガラスを叩いて男が声を掛けてくる。

 するとエレナが立ち止まり「お姉ちゃん、お兄ちゃんも助けてあげて」


「エッ?」


「お兄ちゃん悪い人じゃないの。エレナと一緒で閉じ込められてるの」


 普通、悪いことをしなければ、閉じ込められることはないのだが。



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