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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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13-3 絆からわかるお互いの距離

 

 三日ぶりの外。

(まぶ)しい」目を細め、しばらくの間光に目を慣らすと「わあ、きれい」庭の花壇に咲く花を見て「こんなに咲いてたなんて、来たときは気付かなかった」


「ここに来たときは夕方だったから色が見えなかったし、周りを見る余裕がなかったからな」

 ゆっくりとショウに支えられながら玄関前の階段をおりて、庭に置いてある木製の椅子に座る。


「本当に、ここは花でいっぱいなのね」

「出てきてよかっただろう?」

「ええ」笑顔を返すと、ショウも嬉しそうに笑う。


 気持ちいい風が花の香りを運んでくる。

「みんな幸せそうね。ここが敵地だなんて思えない」


 その時「ショウさん?」と声を掛けられたので振り向くと、隣の奥さんがバスケットを持って立っていて「おはようございます。入ってもよろしいかしら?」

「はい、どうぞ」


 奥さんはキラが座っているテーブルのところへ来ると「初めまして。ご気分はいかがですか?」

「こちらこそ初めまして。いつもおいしい食事をありがとうございます」

「どう致しまして」


「どうぞ、座ってください」隣の席を勧めると「いえ、今日は差し入れに来ただけなんですよ」バスケットをテーブルに置くので「この前いただいたクッキー、おいしかったです。ご馳走さまでした」キラがお礼を言うと「それは良かったわ。今日はケーキを作ったのよ」


「そうなんですか。ありがとうございます」

「では、今日はこれで」

 ショウが道路まで出て奥さんを見送り、戻ってくると「お茶の支度をしてくる。ここで食べよう」家の中へ入っていく。


 ショウがトレーを持って戻ってくると、キラの横に小さな竜巻ができていて、ショウが近づくと消えてしまった。


「キラ、いや、もうそう呼べないから、ラルでいいか?」

「ああ、そうね」

「さっきの小さな竜巻みたいのはなんだ?」

イータル ヴェンティ(風の旅人)、風の精霊よ。例の組織のことを聞いてたの」


「何かわかったのか?」

「少しだけ」

「どんなことだ?」

「一年くらい前から活動しはじめたらしい。でも、どのくらいの規模なのかわからないって。どうやら地下に潜伏しているみたい」

「地下ね」


「組織のメンバーは全員人間らしいって」

「PFSではないらしい。昨日コンピュータを調べたが、この大陸で活動はしてなかった」

「そう、グループも把握してなかった」


「どこら辺にいるかわからないか?」紅茶を入れたカップを渡すと「組織員が何名か近くに来てるみたい。ケッドマンの屋敷を調べにきたんでしょうね」


「接触できる方法はないか?」

「もう手を打った」

「何だって?」

「イータル ヴェンティに頼んだの。この村に来るように仕向けてって」


「どうやって?」

「それは彼女たちに任せたから」

「では、ここにいれば会えるんだな?」

「そうね」

「頼もしい友達だな」

「……」

「そうしたら、それまでに体力を少しでも戻さないと」


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