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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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12-1 不和からわかる絆

 

「もう少し中身があると思ってたんだが、買いかぶり過ぎてたらしいな」


「そうよ。買いかぶり過ぎてたのよ。思ってたとおりじゃなくて悪かったわね。外面だけ大きくて中身がないとわかったんだから、これで見切りが付いたでしょう? こんな女なんかホッといて、さっさと出ていけば」


「こんな時間にか?」


「じゃあ私が出ていく!」席を立ち、外へ出ていこうとするので「そんな姿で外へ出る気か!」腕をつかんで止めると「離してよ! どうしようと私の勝手でしょう!」


「その姿で外へ出たらどうなるかわかってんだろう! ここは敵地のど真ん中なんだぞ!」

「わかってるわよ!」

「奴らに捕まってもいいのか!」

「私がどうなろうと関係ないでしょう! 離してよ!」


「キラ」

「離してよ! ショウなんか大嫌い!」

「さっき言ったことはウソだ」

「離して!」

「ごめん、言い過ぎた」


「離せ!」

「キラ!」

「離せ!」

「悪かった!」


「はな、は、あ……あ……」突然、座り込んで苦しそうに息をしはじめるので「どうした?大丈夫か? 過呼吸になりかけてる。ゆっくり呼吸するんだ」

「触ら、ない、で……」


「そんなこと言ってる場合じゃないだろう。息を吐いて。吐ききるんだ。ゆっくり吸って」

「はあ……はあ……」

「吐いて。フー、フー」

「フー……フ、フー……」

「ゆっくりな」キラの背中を擦りながら呼吸を合わせていくと、徐々に落ち着いてくる。


「笑って、いいよ。無様な、姿、でしょう? あんなに、エバって、たのに、滑稽(こっけい)、でしょう?」

「さっきのことは謝る。お前が精神的に参ってるのを知ってながら、ひどいことを言ったと思ってる」ゆっくり息をするキラの背中を擦りながら「お前がわざと俺を怒らせて追い返そうとするから、少し言い返してやろうと思っただけだ」


「ショウ、なんか、大嫌い……」

「さっき言ったことは本心じゃない」

「あっち、行け……」

「本当にごめん。反省してるよ」

「あっち、行け……」


「キラ」

「……あっち、行け」

「お前を傷つける気はなかったんだ」


「触ら、ないで」ヨロヨロと立ち上がるので「無茶するな」

「私は、キラとして、この先、任務を、遂行、しないと、いけない……」

「なら、これから先、キラと名乗らないほうがいい」


「そんな、こと、言われる、覚え、ない」

「これは忠告だ。キラと名乗るな」

「……な、なんで?」


「グループの救出メンバーは、全員キラと名乗ってるんだろう?」

「だ、から?」

「敵はそのことを知ってる」


「なんで、そんなこと、知ってるの」

「ダッケンが持ってた報告書に書いてあった」

「報告書?」


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