11-3 過去からの産物が作る不和
「……どういう意味?」
「そのメンバーが、グループと連絡を取ってるところが見られればいいだけだ。グループとコンタクトを取るために必要なIDとパスワードが解ればいいんだから」
「……」
「この方法を使って、グループと直に話したほうが時間が掛からないから、切り替えるか」
「じゃあ、コンビ解消という話は成立ね?」
「なぜ?」
「メンバーを見付けにいくんでしょう?」
「そんな面倒くさくて、時間が掛かることをすると思ってんのか?」
「今、そう言ったじゃないの。キラのメンバーを見付けて、グループとコンタクトを取ってるところ見て、IDとパスワードを盗み取るって」
「それは、お前でもいいことだ」
「……エッ?」
「お前もキラのメンバーだろう?」
「あ……」
「これからグループと連絡を取るときは、注意するんだな」
「そう言っときながら、もうわかってるんじゃないの? 私のパソコンに触る機会がいくらでもあったんだから。ハッカー並みのスキルがあるんだから、とっくに盗んでるんじゃないの?」
「さあ、どうだろうな」
「……これからのことを考えないといけないわね」
「さっきも言ったはずだ。この先一人で行ったら精神が壊れて危険だと」
「私もずいぶんと見る目が落ちたわね。まさか、ここまで曲者だったとは思わなかったわ」
「お前だって曲者だろう」
「……さて、どうしようかしら」
「そんな状態で何ができるんだ」
キラはソッポを向くと「どうすれば、一番被害が少ないかしら。敵地まで来ちゃってるから、追い返すわけにいかなくなったし、かといって、一緒に行動するのも危ないし。アーア、利用してるなんて言わなきゃよかった」
「どんなことを考えても無駄だぞ」
「煩いわね。考えごとしてるんだから邪魔しないで」言い返すとまた考えこむ。
「この問題は難しいわ。何かいい方法がないかしら。
どこかに監禁しても逃げられる危険性が大きいし、湖の真ん中へ連れてって落としても、泳いで岸まで行きそうだし……
お金で釣っても受け取りそうにないし……女たらしだから、色仕掛けも効き目がなさそうだし……」
「俺の前でそんなこと言っていいのか?」
「全部、使えないもの……」
「そうだな……なぜ泣く」
「私の勝手でしょう!」
「勝ち気で高飛車で計算高い女が、利用してる男の前で泣くのか?」
「……」
「それがお前の作戦なのか?」
「……」
「男は女の涙に弱いからな。しかし、計算高い女がずいぶんと姑息な手を使うな。泣き落としなんて、かなり古い手だぞ。俺がそんな手に引っ掛かるとでも思ってるのか?」
「……」
「どんな事を仕掛けてくるのかと思ったら、泣き落としとはな」
「……」
「得意なのは空威張りだけか?」




