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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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5-3 反動の副産物

 

 そこへ、キラがお風呂から上がってきた。


(先に、片付けないといけない問題があったな)

 頭からかぶっているバスタオルの間から見える髪が銀色になっている。


「変化した原因がわかったか?」と聞くと、相変わらず首を横に振る。

「薬は飲んだんだろう?」と聞くと頷くので「前にもこんなことあったか?」また首を横に振る。


「シルバーフェニックスの姿のままいるってことは、自力で人間の姿に変化できないってことだろう?」と聞くと、ゆっくり頷くので「参ったな。これじゃ身動き取れないぞ」


 不安そうな顔をするキラに「原因として考えられるのは、恐怖を我慢したことによる精神的な何かの反動かもしれない。今まであんなに我慢したことないだろう? とにかく、今日はゆっくり休め。明日になっても戻らないようだったら、そのとき考えよう」

 キラは小さく頷くとショウの前にあるPCに気づき、傍へいくと画面を覗く。


「この村がどこら辺にあるのか確認してたんだ。今ここだ。あの場所から五百キロ近く内陸へ来たところだ」画面のマップを指し「見てわかるとおり陸の孤島だ。それと、俺たちが起こした行動は、これからのターゲットである領主たちに知れ渡ってるだろう。しばらくは様子見だ」


「謎の組織のことは、どうする?」

「グループもPFSも把握してないから、移動しながら情報を取るしかないな。まずはこの村の人から聞いてみようと思う」

「……そうだね」


「計画どおり俺たち第一陣は、次のターゲットである領主たちの動向を見よう。先を急ぐことはない。ここに来るまできつかった。少し休もう」

「でも……」


「まずは、動けるようになることが先だ。グループに連絡して、対処法があるか確認したほうがいい。その返答内容を確認して、これからの行動を決めよう」

「……うん」

「戸締りは俺がしとく。部屋へ行って休め」


 キラが部屋に入ると、ショウは画面に向きなおった。

 PFSのメインコンピュータにアクセスして謎の組織のことを再度調べたが、情報は出てこない。

「やっぱり、表の世界には情報が出てなさそうだな。一体、どんな組織なんだ?」


 ショウは裏社会のネットワークへ入り、謎の組織の情報収集を始めた。

 しばらく検索していくと、ある書き込みに目がとまる。

 それは、この大陸の領主の一人らしい人物が持つ狩り人のグループからリーダーが抜けたため、新しいリーダーを募集しているというもの。

 

 なぜ気になったのか。

 それは、ケッドマンが持つ狩り人グループで、ダッケンが抜けたために、次のリーダーを募集しているというようなものだからだ。

 

 この大陸の領主が持つ狩り人のグループのリーダーであれば、それ相応の待遇が約束されているので、抜けるにはかなり重要な理由があることになる。


 ケッドマンが持つ狩り人のグループは全滅しているので、一から立て直さなければならないため、この情報元はケッドマンではないことがわかる。

 他の二グループが対応した領主が持つ狩り人のグループも同様に潰しているので、残りのターゲット領主たちの中の一人なのかもしれない。


「この情報はしばらく追ったほうがいいな」チェックリストに加える。 


 今日のところはここまでにして、電源を落とすとシャワーを浴び、冷蔵庫からミネラルウォーターを出して飲むと、自分の部屋へ行ってベッドに入り、これからのことをあれこれ考えているうちに、眠りについた。


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