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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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5-2 反動の副産物

 

 しばらくして、大きなバスケットを持ったショウが戻ってきた。


「どうだ? 戻ったか?」と聞くと首を横に振るので「どうしちゃったんだよ」テーブルのところへ来ると、わからないとさらに首を振る。


「とにかく、何か食べよう。奥さんに夕飯のお裾分(すそわ)けをもらってきた」

 テーブルを拭き、バスケットからパンとシチューのお皿を出して並べていく。


 キラがブカブカのパーカーを着たままスプーンを持つので、(そで)をまくらないと持ちづらいだろう」今度は(そで)をまくる。


 一日車に乗っていたせいか食べる量が少なかったので「もういいのか? さっき、お腹空いたと言ってたじゃないか」

 キラは何も言わずスプーンを置くので「じゃあ、残りは明日の朝食にしよう」冷蔵後のスイッチを入れて残り物を中に入れると、バッグに入れておいた果物も入れる。


 その足で家の中を一通り確認すると、コテージ風の作りで平屋建て。

 部屋はベッド付きの個室が三つにリビングダイニングとキッチン。

 一部屋が大きく、前の住人はそれなりの収入があった高所得者だろうと想像できるオシャレな一軒家。


「どんな仕事をしてた人なんだろう?」


 さっそく香木(こうぼく)で作られたバスタブにお湯を入れ、リビングに戻ると「風呂を入れたから入ってこい」キラに場所を教えると、バッグから着替えを出して向かった。


 ショウはバッグからノートPCを取りだして立ち上げたあと紅茶を入れ、今どの辺にいるのか調べはじめた。

 先ほどお爺さんから村の名前を聞いたので、マップで探す。


埠頭(ふとう)があった街から西北西、約五百キロ。ダンドル村。ここか」

 隣村まで百キロはある陸の孤島。


「すごい場所だな。しかし、電波を(さえぎ)る障害物は見当たらないが、なんでカーナビが動かなくなったんだろう?」

 機械関係に関して、一応プロフェッショナルだと自負してるショウとしては、障害の原因が突き止められないことに不満があった。

「何か原因があるはずだが……あと、残る原因としては……」思い当たる節はあるが、予測段階。


 そして、一昨日起きたケッドマンの屋敷での事件は表沙汰になることはなかったが、この大陸の領主たちの間では情報共有されていることだろう。


 実は、ショウたちの他に、二グループが他の領主の屋敷に潜入し、幽閉されていたシルバーフェニックスを救出していた。

(初回は不意打ちのような形だから、向こうも対応が後手に回っただろうけど、問題は二回目以降。他の領主たちの警備が厳しくなるから、これから長期戦になる)


 グループの計画では、年単位の最終決戦になるだろうと()んでいる。

 その第一段階は完了。


(これで他の領主たちがどう動くか。今回の報告を入れたので、次の任務開始の指示が来るまで、しばらくは様子見だな。まあ、すでに第二段階の計画は進んでるから、焦らずに行こう)


 別の画面を出して、キラから転送してもらった、他の二グループのターゲットである領主の情報を確認する。

 この大陸の領主は全部で十三名なので、残り十名。

(初回は思った以上にうまく行ったが、問題はこれからだな)


 それと、以前、ダッケンが話していた正体不明の組織のことを調べなければならない。

(話から保護団体のようだが、グループもPFSでも把握してない集団のようだ)


 画面を戻すとマップを見て「この村で情報が聞きだせたらいいんだが。明日、村を周ってそれとなく聞いてみるか」


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