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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第五章 謎の組織
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1 事後処理

 

 車を走らせて二時間近く経った午前零時前、隣国へ入って最初に着く街の外れにあるビジネスホテルに入り、部屋に荷物を置くと、バッグを持って隣のキラの部屋へ行く。


 ドアをノックし「俺だ」と言うと、時間をあけてドアが少し開く。

「疲れてると思うが、先に今回の任務の内容をまとめておきたい」


 するとドアを開けるので、中に入る。

 窓際の席に行くと、テーブルにノートPCが置いてあるので「グループへの報告書を書いてるのか?」


「下書きは、作っておいたから、内容を見直して、送るだけに、してある。何か、飲む?」キラが備え付けの冷蔵庫を開けるので「いつもながら作業が早いな。何がある?」二人掛けの向かいの椅子に座ると「炭酸と、缶ビール」


「じゃあビールにするか。無法大陸初任務、完了祝いだ。あと、何か摘まむものでも頼むか」テーブルの端に置いてあるルームサービスのメニューを広げ「ヘェ、ベジタリアン用の料理もあるぞ。適当に頼んでいいか?」

「……食欲、ないから、好きなの、頼めば」


「またそんなこと言って。お前はもう少し食べないとダメだ」立ち上がると部屋に備えつけの受話器をとり、夜中であることを考慮して、胃に負担が掛からないものをいくつか注文する。


「ビール、どうする? 先に、飲む? 料理がきてから、飲む?」

「そうだな。先に飲むか」バッグからノートPCを出してテーブルに置き、電源を入れる。


 キラが缶ビールを持ってくると受けとり、開けると「しょっぱなから大変だったが、ミランドの協力もあって、思った以上の成果を上げられたな」

「……うん」ショウの向かいに座り、缶ビールを開ける。


「せっかくだから、彼女も呼ぶか?」

「……きっと、寝てると、思うよ。いろいろと、大変なこと、頼んじゃったから」

「ああ、そうだな。緊張した場面も何回かあったし。じゃあ、今度お礼を言う時間を設けるか。お疲れ」缶ビールをキラに差し出すと「あ、ああ。お疲れ」ショウの缶ビールに当てて一口飲む。


 そんなキラの様子を見てビールを飲むと「そういえば、ダッケンは先ほど、隠れ家にいるところを見つけて逮捕したそうだ。残ったワリッキーの情報は、友人のレンに伝えてあるから、時期に捕まるだろう」

「あ、ああ、そうなんだ」


「……さっき、向かいの港に迎えにきてたグループのメンバーから、救出した彼らと合流したと連絡がきた。お前に連絡したそうだが、返信が来ないと言ってたぞ」

「あっ、返信し忘れてた。でも、これで、第一段階、完了だね」ビールを飲みはじめるので「食べてから飲め。酔いが回るのが早くなるぞ」

「……そう、だね」


 そこへ、注文した料理がきたので、肉が入っていない料理をキラの前に並べ、その他のものを自分の前に並べる。


「さあ、もう心配することはないだろう? ちゃんと食べろよ」

「……疲れたから、あまり、食欲がない」

「じゃあ、食べられるだけ食べて、あとは明日の朝食にすればいい」

 ショウが食べだすと、キラも少しずつ食べはじめる。


 その後、ビールを飲みながらショウがまとめた内容を報告書に盛りこみ、メールに添付してグループへ送ると、翌日の出発時間を確認して、ショウは自分の部屋へ戻っていった。


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