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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第四章 無法大陸
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33-2 作戦発動

  

 その後、少しして客の数人が「煙臭くないか?」と呟きはじめた数分後、電気が点くと、辺り一面に煙が充満してきていて、客たちが部屋から出ようと出入り口に殺到する。


 そこへダッケンが来て「皆さん! 落ち着いてください! この建物は完璧な防災システムが配備されているので、崩れたり炎が広がることはありません!」落ち着いた口調で説明する。


「爆発は地下一階の使われていない倉庫からと連絡が来ています」と言うと右耳に付けているイヤホンを触り「現在、消火活動を開始したとのことなので、間もなく鎮火するでしょう。皆さんの安全は私が保証しますので、安心してください」


 説明が終わると部屋の換気が始まり、煙が吸い込まれていくと、状況が改善されていくので招待客たちは一応落ち着きを取りもどし、メイドたちに案内されてダイニングテーブルに座ると、温かいお茶をもらって飲みはじめた。


 そこへ会長が入ってくるとダッケンを呼び、何やら指示を出す。


 話し終わるとワリッキーが会長に付きそい、ダイニングテーブルの会長席に座ると、ダッケンはメインルームへ行って、シルバーフェニックスたちを見ているショウを呼ぶ。

 ショウはキラに目で合図するとステージから降りてダッケンのところへ行き、指示を聞くと、ダイニングルームへ戻るダッケンと交代したワリッキーが合流する。


「お披露目パーティは中止。これから彼らを部屋へ連れていくことになった。ワリッキー、先に特別室へ行って警備員に訳を話し、扉の鍵を開けてもらってくれ」

「なんで俺が行かなきゃいけねえんだよ」

「じゃあ、僕が行くよ」キラがホールから出ていくと「じゃあワリッキー、先頭を頼む。俺は後ろからいく」と声を掛ける。


「わかった。いいか。俺に付いてくるんだぞ」

 ひと(かたまり)になっているシルバーフェニックスたちに声を掛けて廊下に出ると、真っ直ぐ特別室へ向かって速足で歩いていく。


 急ぎ足で食堂のところまで行くと、向かいの従業員用の更衣室横にある地下に通じる階段から、煙が上がってきはじめていたので「なんだ。消火活動が始まったはずなのに、まだ消し止められないのかよ」ワリッキーが口を押え、振り向くと「戻れ!」と言ってその場に倒れた。


 目の前にいるショウが倒れているワリッキーの様子を見て「本当に速攻で効くんだな」右手の人差し指の先端に()まっている、細かい針が付いた長方形の小さい金属の薄い板を見ると「いいぞ」と声を掛ける。


 すると、男子更衣室からキラが出てきて「こっち」ドアを開ける。


 ショウは指から金属板を外してキラに渡すと、シルバーフェニックスの男性たちと一緒にワリッキーを持ち上げ、中に運ぶと奥の掃除用具入れに座らせて手足をしばり、鍵を掛けると更衣室から出た。


 一方キラは階段から発煙筒を拾うと、廊下奥のメインホール側の様子を伺いつつ、シルバーフェニックスの女性たちを連れて、向かいの従業員用の食堂へ入る。


 隠し扉から狩り人用の食堂へ行くと、メイド姿のミランドが待っていて「さあ、こっちのマントを羽織ったら、チップを渡すから額に付けて」テーブルの上に用意してある人数分のマントを指し、手に持つケースからチップを取りだすと、マントを着た者から順に渡していく。


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