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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第四章 無法大陸
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33-1 作戦発動

 

「今回は懸念してた問題が起きて会議が長引いてしまったが、沈んだ気分を払拭(ふっしょく)するために、私のコレクションを披露しようと思う」

 すると、招待客から大きな拍手が起こる。


「稀少なコレクションなので目の保養になるだろう」

「さすが会長。これほどのコレクションをお持ちとは、御見それしました」ステージ中央前にいる協議会の副会長が、赤らめた顔をさらに紅潮(こうちょう)させて、早口でしゃべる。


 招待客のもっぱらの質問は、ケッドマン会長の両脇に立っている、希少品である二十代のシルバーフェニックスの女性たちの管理方法。


「どのようにして食事をさせているのですか?」

「どのように運動させているのですか?」

「どのような部屋で管理されているのですか?」


 矢継ぎ早に聞いてくるので、会長は「聞きたいことはわかってるが、一人ずつにしてくれ」手を上げてけん制する。

 キラたちボディーガードは、招待客たちが乱入しないように、均等にステージ前に立っている。


「いやあ、貴重なコレクションをこんなにもお持ちとは、(うわさ)には伺っていましたが、目の当たりにしますと、その素晴らしさがよくわかりますよ」運輸協会の副会長が、改めてケッドマンに声を掛ける。

「特に、稀少とされている二十代のお宝をこんなにお持ちとは。今夜はご招待いただいて本当に光栄です」


「ハハハハハッ! これだけの稀少品を持ってるのは、今では私を含め、数名でしょうな!」会長はご機嫌で極上のワインを飲みはじめる。

 そんな会話を聞いてキラが眉間にしわを寄せ、表情を変えるので、隣のショウが咳ばらいをすると、表情を元に戻す。


 お披露目が進む中、チーガスの行動をチェックしているが、ドア横にいるパフィオと接触する様子はなく、会社の重役たちと後ろのほうで話をしている。


 しばらくすると、メイドとして潜り込んでいるミランドが、招待客にワインを注ぐために、ワゴンを押しながらホールへ入ってきた。

 彼女がショウに向かって軽く会釈するので腕時計で時間を確認すると、右隣のキラに聞こえるように指を二回鳴らし、キラは顔を少しショウのほうへ向けると、小さく頷く。


 これは、パフィオの動向を見張っていたミランドからの合図。

 彼が行動を始めたということ。

 そのパフィオは、ホール正面の出入り口で、クラッカーと一緒にドアを挟んた横に立っている。


 一通りワインを注いだミランドがホールから出ていき、(えん)(わけなわ)となったころ、突、爆発音が響き、部屋が真っ暗になった。


「何事だ!」大声を出す会長。「早く明かりを点けろ!」

「皆さん! すぐに予備電源が作動しますので、そのまま動かずにジッとしててください!」

 ダッケンがポケットから小型のライトを取りだし、電気を点けて注意を(うなが)すと、キラたちに、ステージ上のシルバーフェニックスたちと会長の身を確保するよう指示をだす。


 小型のライトを点けてステージにあがり、彼らをステージそでに連れていくキラとショウが「こっちは全員無事だ!」と答え、ライトを点けるワリッキーも「会長も無事だ!」反対側のステージそでから報告し、ドア横にいたパフィオとクラッカーも「皆さん、こちらに移動してください」ライトを点けて、招待客たちを隣のダイニングルームへ誘導する声が聞こえてきた。


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