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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第四章 無法大陸
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32-2 最終段階


 その後、キラの部屋で最終確認を行う。

「ここにきてワリッキーとクラッカーを入れ替えるなんて、何があるんだろう?」

 ソファに座って、部屋に残っていたミランドが入れた飲みやすい温度の紅茶を飲むと、ショウが「クラッカーが、ダッケンから俺と違うことを指示されてる」熱い紅茶を飲む。


「内容を知ってるの?」キラの隣に座って遅い昼食を食べているミランドが驚くと「ああ」と言って左耳のイヤホンを指し「奴はパフィオの見張り役だ」

「ああ、なるほど」キラとミランド、同時に頷く。


「……決定的な場面で捕まえるためには、尾行する必要がある。その役をワリッキーにさせると、尾行途中でバレる恐れがあるから、気配を消せるクラッカーに変更したんだ」


「あの体格と性格じゃ、どこに隠れてもはみ出すし、歩く騒音だからすぐにバレるよ」その場面を想像するキラ。

「これでワリッキーも大人しくするだろうから、一石二鳥ってところかな」納得するミランド。

 また二人して同時に頷くので「気持ち悪いから並んで座るな! ミランド、こっち!」一人掛け用の椅子を指し、移動させる。


「何が気持ち悪いだよ」文句を言うキラに「気持ち悪いだろう」当然、という顔をして言い返すので「慣れればいいだろう」口を尖らせると「慣れるか!」


「それで、こっちの計画に変更はあるの?」移動したミランドが話を戻すので「ああ。少し変更しようと思ってる。やってもらいたいことがあるが、先に会長の計画を説明する」


 午後六時。

 狩り人用の食堂の隣の休憩室に、正装したキラたち全員が顔を揃えていた。


「すごい、ワリッキーがまともに見える」用意されたスーツを着ていつもの場所に座っているキラが、向かいのソファに座っているワリッキーに聞こえるように言うと「お前はお子様みたいに見えんぞ。ぼくちゃん」揶揄(からか)うように言い返すので、パフィオが爆笑する。「ぼくちゃんはいいわ! お前にピッタリ!」


「おっさんに見えるよりマシだよ」

「なんだと! 」立ち上がるパフィオ。

「相変わらずにくったらしい奴だな」眉間にしわを寄せるワリッキーが何か言おうとすると「そこまでだ!」出入り口前に立つダッケンが仲裁(ちゅうさい)に入り「これから今夜の説明をする。一度しか言わないから、しっかり頭に叩きこめ」


「まず、説明が終わったら食事を済ませてくれ。

 今、準備をしてもらってるから、説明が終わったら食べてくれ。くれぐれも、服に染みなんか付けるなよ。


 今夜の客だが、午後七時に会長・社長と一緒に専用車で到着する予定だ。

 クラッカーとパフィオは午後七時十分前にメインエントランスで待機。

 会長たちが帰ってきたら、客をダイニングルームへ案内する。

 招待客は二十名。顔写真入りのプロフィールを渡すから、詳細を頭に叩きこめ。


 お披露目予定のお宝の護衛チームは、午後八時十五分前に、特別室の扉の前に集合。

 時間になったら特別室から出てくるので、ダイニング―ルームの隣のメインホールまで護衛する。

 俺が先頭で最後尾はショウ。右サイドはワリッキーで左サイドはビーだ。


 メインホールへ行ったら、食事が終わった客たちが移動してるので、ステージに立つ会長を中心に、左右に希少品の二十代のお宝を立たせ、その周りをほかのお宝で囲むように配置する。


 お披露目が始まったら、クラッカーとパフィオはメインドアの見張り。ワリッキーたちは、終わるまでステージ前に均等に立ち、緊急時に備える。


 お披露目は午後九時でお開き。

 先にお宝が部屋から出るので、特別室の扉前まで同じ体制で護衛。

 お宝が特別室に入って、扉が閉まったら終了。


 クラッカーとパフィオは、お宝がホールから出た後、客たちをメインエントランスまで誘導し、全員をタクシーに乗せたら終了。以上だ」


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