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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第四章 無法大陸
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15 解決方法

 

「どんな手だよ」

「もう大丈夫だよ」笑顔で答えると屋敷へ向かって歩きだすので「おい、どんな手なのかって聞いてんだろう」追い駆けると「あとで教えるよ」


「なんであとなんだよ。どうして今言えないんだよ!」立ち止まり「こっちは心配してるっていうのに、その言い方はなんだよ!」驚いて振り向くキラに「勝手にしろ!」吐き捨てるように言ってキラの横を素通りすると「ちょっと待って!」今度はキラが追い掛ける。


「解決方法が見付かったんだろう? じゃあ、いいじゃねえか!」

「ごめん。ちゃんと話すよ」声を掛けても構わず歩いていくので「ごめん! ちゃんと話すから!」と言うと立ち止まるので「あ、あのね?」

「なんだ」

「代わってもらうんだ」


「代わる?」振り返ると「そう。代役を立てるんだよ」

「代役って、誰に頼むんだ?」

ルーチス レイト(ひかりのにないて)。鏡の精霊だよ。彼女たちだったら、例の鏡の影響を受けないから」


「同じ顔をしてる鏡の精霊がいるのか?」

「鏡はものを写すだろう? 模写は得意だからね」

「なるほど。ソックリに変装できるのか。で、どこの鏡を使うんだ?」

「さっきセリーナが、部屋の用意が整ったって言ってただろう?」

「その部屋のを使うのか」


「本当はフロス アクアエ(みずのはな)に頼もうかと考えてたんだけど、彼女たちは長く水から離れられないから」

「ヘェ、彼女たちも模写ができるのか」

「ものを写すことができるからね」

「確かに」


「これで乗り切れるかな」

「身代わりはできたが、お前はどうするんだ?」

「問題はそれなんだよ。部屋で大人しくしてるか外に隠れるか。どっちが安全かな?」

「誰も部屋に入ってこないと言い切れないからな」


「やっぱり、外にいるほうがいいかな」

「どこに隠れるんだ?」

「それは心配ないよ」


「なんで?」

「ここには隠れられる所がたくさんあるから」庭の奥にある林を指すので「あそこに隠れるのか?」

「自然は味方だからね」

「そうだったな」


「入れ替わったらこっそり出ていくから、うまくやってよ」

「連絡はどうするんだ?」

「機器に頼るとバレるかもしれないから、そっか、鏡を使えばいいんだ」

「鏡?」


ルーチス レイト(ひかりのにないて)に繋げてもらえばいいんだよ」

「どこに繋げるんだ?」

「写るものだったらどこでも繋げる。例えば水とかね」

「じゃあ、さっきの噴水とか?」

「あそこじゃ屋敷から見えるだろう?」


「じゃあどこ?」

「それは、何とかする」

「……わかった」

「とにかく、なんとしても会長宅へ潜り込まないといけないからね」

「ここを乗り切れば、計画通りに進むだろう」


 バルコニーへ戻ると、用意してくれたお茶を飲みはじめる。


 キラがマフィンにママレードを塗っているとセリーナが顔をだし「お気に召していただけたでしょうか?」と聞いてくる。


「はい。焼きたてのマフィンなんて食べたことないので、おいしいです」

「そうですか。先ほど社長から電話がありまして、午後四時ごろにこちらへ戻られるそうです。お待たせして申し訳ないと申しておりました」


「ゆっくりさせてもらってるので、大丈夫です」

「では、のち程お部屋へご案内いたします」


 その後、セリーナに案内されて屋敷の三階へ上がると「ビー様のお部屋はこちらになります」左奥のドアを指すので「もしかして、別々の部屋にしてくれたんですか?」


「はい。でも、ご一緒のほうがよろしければ、そのようにいたしますが……」

「別々でいいです!」

「……では、ショウ様のお部屋はこちらになります」右隣の部屋のドアを指し「お食事の用意が整いましたらお迎えに参りますので、それまで部屋でお(くつろ)ぎください」一礼すると階段を降りていく。



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