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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第四章 無法大陸
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11 情報の仕入れ先

 

 少し間をおいてキラたちも部屋へ引き上げると「あの社長には驚かされるな」窓際のソファに座るショウ。


「思ってもみなかったことを聞かれて、ちょっと動揺しちゃった」彼の向かいに座るキラ。

「さすがだな。人間観察の目を持ってるよ」

「できる人とは思ったけど、(あなど)れない人だね」

「俺もそう思う」


「それにしても、狩りの話をしたら反応したね」

「ああ、作戦どおりだ」

「あの船会社のお姉さま方に、感謝しないといけないね」

「そうだな。いろいろと情報をくれたからな」


 一体どこから仕入れたのか、ショウたちがケッドマン社長に招待されて会社を辞めることが女性社員たちの間で広まっており、昨晩、お別れパーティを食堂の奥にある個室を借り切って、密かに開いてくれていた。


 その席で、ケッドマン社長がいるオーラスコーポレーションについて、表沙汰にできない裏情報を、一人ずつショウに肩を抱いてもらいながら一杯飲む、という条件と引き換えに教えると持ち掛けられ、対応したのだ。


 お姉さま方からの裏情報 その一

 オーラスコーポレーション会長が大規模な狩りを計画しているため、大量のアシストを(やと)うために選考会を(もよお)した。

 その会場に船会社の会議室が使用された。


「やはり、()(びと)のアシストを採用するために、人を集めたのは確からしいな」

「お姉さま方の話だと、集合場所にあの会社の会議室が使われたらしいから、なんで僕たちがあの会社にアルバイトとして入ったのか、兄を捜すためという理由に納得してくれただろうね」

「ああ、その点はうまくいっただろう」

「他にも貴重な情報が手に入ってよかった」


「あれくらいで情報をくれるなら、いくらでもやるよ」

「……さすが女たらし」

「なんだと! 貴重な情報をもらえたのは誰のお陰だ?」

「……女たらし」

「……」

「おん」

「もういい!」


「あ、一つ言っとくけど、自分の身は自分で守れるからね」

「エッ? ああ、あの事か。そう言うと思った。私は今まで一人でやってきたんだから、今更ショウに守ってもらわなくてもいいの、なんてね」

「……読んでるね」

「いつも言われてるからな」


「フン!」ソッポを向くので「とにかく、これで男装しなくて済むぞ」

「……そうだね」耳の後ろに引っ掛けてある小型の機器を外すので「それは何だ?」

「変声器だよ」と言う声が戻っている。

「そんな形のものがあるのか」


「最新型を手に入れたんだ」フックのような耳に引っ掛ける部分を持って見せるので「それは知らなかった」

「遅れてるよ」

「リサーチ力が落ちたか?」

「ショウは変声器なんか必要ないだろう。だから、思い付かなかったんじゃないの?」

「……反省します」

「以後、気を付けるように」

「はい」


「プッ、なんかやけに素直だね」

「それはもう、トップクラスのメンバーの方には頭が上がりませんので」

「それ、(いや)み?」

「そう聞こえる?」

「ちょっと」


「勘違いだ」

「そうかな?」

「そうだ」

「じゃあ、チャカしてるんだ」

「……」

「よーくわかった」

「また、すぐ本気にする」

「フーンだ!」再び変声器を付けるので「なぜまた付ける? 必要ないだろう?」

「何が起こるかわからないから、しばらくこのままでいる」


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