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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第四章 無法大陸
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4-1 潜入開始 予知の正確さ

今回は地震の様子が出てくるので、無理な方はブラウザバックしてください。

 

「ここが一階ロビーだ」


 三人は食堂がある寮の建物から出ると隣の本社ビルへ渡り通路を移動し、社内を通って正面玄関へ行くと、全面ガラス張りで、エントランス中央には豪華なシャンデリアが天井から下がっている。

 床は一面御影(みかげ)石。


「昨日、僕たちが行った所は何なんですか?」呆気に取られているキラに「あそこはもう一つの会社だよ、と言えばかっこいいが、実は、船員専用の所なんだ。あんな汚い格好であそこから入ってこられないだろう?」正面玄関を指すので「確かに!」笑ったとき、ズウンと建物が揺れた。


「地震だ!」


 グラグラグラッ。


「キャー!」受付に座っている女性社員たちが悲鳴を上げ、立ち上がる。

「デカいぞ! カウンターの下に隠れろ!」


 ショウが受付の女性社員たちに声を掛けると、あちこちで物が倒れる音がしはじめる。

 キラたちが近くのカウンターの下に潜り込もうとしたとき、正面玄関のところで二人の女性がしゃがみ込んでいるのが視界に入った。


「ショウ! あそこの二人危ない!」


 上には大きなシャンデリアがある。


「ササド課長!」声を掛けるショウと一緒に二人のところへ走っていき「こっちだ!」落ちてくる破片から(かば)いながら連れてくると、シャンデリアが大きく揺れはじめた。

 窓ガラスが次々に割れ、御影(みかげ)石の床目がけて落ちてくる。


 ガッシャーン!


「キャー!」受付の女性社員たちが驚いて悲鳴を上げる。

「椅子を倒して(たて)にするんだ!」叫ぶショウが「椅子を倒せ!」キラにも指示すると「動けないよ!」揺れが激しく、カウンターの脚に掴まっている。


「ササド課長! 二人を奥へ押し込んで!」声を掛けるとキラの腕を掴んで奥へ引きこみ、盾になって飛んでくるガラスの破片を(さえぎ)る。


「ショウ!」

「大丈夫だ!」


 割れたガラスが次々と落ちてきて、受付カウンターにも破片が飛んでいく。


「キャー!」また受付の女性たちが悲鳴を上げる。

「しっかり掴まってろ! 絶対に出るな!」声を掛けるショウが「もう少しだ」不安そうなキラにも声を掛ける。


 いつまで続くのかと思うくらい長く感じていたが、徐々に揺れが収まってくると、エントランスの様子を確認するショウが「もう大丈夫だ」カウンターから出ると、床一面にガラスの破片が散らばっていた。


「ショウ、ササド課長、ケガは?」キラが確認すると「ちょっと背中がチクチクする」

「私もだよ」


 二人の背中を見ると、ガラスの破片がたくさん刺さっていたので、上着を脱いで破片を振り落とす。


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