21-1 現状調査
「なるほどね。では、アイツのケアを頼むよ。君の部屋は二階だ。案内するよ」立ち上がるショウに「ありがとうございます。でも、それはあとでいいです」
「エッ?」
「あなたと話がしたいんです」
「俺と?」
「本当に出ていくつもりなのか、確認したいんです」
「……その事か」元の場所に座りなおす。
「彼女の代わりが来たら出ていくと言われてるそうですが、今も変わりませんか?」
「……ああ、そうだな」
「いいんですか?」
「いいとは?」
「彼女と一緒に行動することをやめていいのか? と聞いてるんです」
「それは、俺が決めることじゃない」
「グループが決めること、ですか?」
「グループとアイツが決めることだ」
「ショウ……」
「グループからは、不安要素は作りたくないと連絡が来てるそうだ。ただでさえ大変な状態なのに、重荷にはなりたくない」
「不安要素は作りたくないという言葉を、どう理解してますか?」
「……正直、どう理解したらいいか迷ってる」
「そうですか」
「……君が、グループ代表か?」
「そうです」
「そうか。で、どんな決定なんだ?」
「その前に、幾つか質問させてください」
「質問?」
「そうです。なぜあなたは、そこまで僕たちに協力してくれるんですか?」
「なぜ?」
「あなたの親友が僕たちの仲間であって、その彼らが狩りで捕まって餓死したことがPFSに入った動機だと報告書に書いてありました。でも、救出活動を続けていったら危険が伴うでしょう? 命が危険に晒されることが起こります。なのに、なぜあなたがそこまで協力してくれるのか、僕には理解できないんです」
「親友が餓死したと聞いたとき、俺は君たちを助けると決めたんだ。あんな悔しい思いは二度としたくない。それに、危険が伴うことは最初からわかってた。しかし、君たちを助けることは、人間を救うことにもなるんだ」
「……そうですね」
「今のまま行けば、いずれ人間は滅びる」
「……ええ」
「現に、世界の至るところで餓死してる人達が年々増えてる。犯罪も多くなった。秩序も乱れだしてる。こういう言い方をすると、結局は人間のためにやってるんだと思うだろう。確かにそういう気持ちはある。でも、君たちを助けたいという気持ちのほうが強いことを、知っててほしい」
「彼女のためではないんですか?」
「エッ?」
「キラの、いえ、ラルためではないんですか?」真っ直ぐショウを見て「あなたが彼女の本名を知ったということはわかってます」
「報告が行ったのか」
「はい。質問の続きですが、いくら親友がひどい目に遭ったといっても、ここまでしてくれるには、もっと大きな要素があると思うんです」
黙るショウに「違いますか?」と聞くと「……確かに、違うとは、言い切れない……」
「……そうですか。その気持ちは、同情からですか?」
「……よくわからない。同情なのか、別の理由なのか……」
「……そうですか」
「最初は、君たちを助けたいという気持ちで動いてた。しかし、アイツに会ってからは……」
「では、その彼女の正体を知って、どう思いましたか?」
「エッ?」
「彼女の本当の姿を見て、どう思いましたか?」
「どうって……」
「欲しいと、思いませんでしたか?」
「何だって?」
「正直に答えてください」




