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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第三章 運命の輪が作るストーリー
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18 キッカケのお礼

 

 翌朝。

 朝食の後片付けをしているときに、キャンベラ夫人が訪ねてきた。


「まあキラさん! 起き上がって大丈夫なの!」

「ええ。もうすっかり良くなりました」

「そう、それはよかったわ」

「ご心配をお掛けしました」

「いいのよ。お元気になられて本当に良かったわ」


「あとでお茶を飲みにいらっしゃいませんか? 心配をお掛けしたお詫びに、手製のケーキをご馳走します」

「まあ、ありがとう。ぜひ伺うわ」

「お待ちしてます」


 夫人を見送り、キッチンへ戻ると「手伝おうか?」ショウが声を掛けてくるので「じゃあ、棚にあるケーキミックスの粉を持ってきて」後ろの棚を指す。


 道具を揃えていると「ラルか」

「エッ?」

「キラよりラルのほうがいい」

「説明したでしょう?」

「ラルのほうが呼びやすい」

「ダメよ」


 粉を(はか)り、混ぜていると「両親は、何をしてるんだ?」

「国で、再建の手伝いをしてると思うわ」型の準備をしながら答える。


「兄弟はいるのか?」

「いいえ」

「じゃあ、心配してるだろう。連絡はしてるのか?」

「……いいえ」

「出てからずっと?」

「ええ……一度も」

「会いたいだろう?」

「……ええ」

「早く戻れるよう、俺も頑張るよ」

「……ありがとう」


「ところで、体調は本当に大丈夫か?」

「今のところは」

「そうか。万全じゃないなら、無理するなよ」

「……気を付けるわ」


 午後三時になって、キャンベラ夫人が訪ねてきた。

「元気になったお祝いよ」また大きな花束を差し出すので「ありがとうございます。さあ、どうぞ」一階のリビングへ案内する。


「ようこそ」ショウが部屋へ入ってくると「お花をいただいたの」

「きれいだな。気遣っていただいてありがとうございます。これは預かるよ。夫人のお相手をして」花束を受け取ると部屋から出ていく。


 夫人はソファに座ると「それにしても、一日でこんなにお元気になられるなんて」不思議そうな顔をするので「主治医にもらった薬を持ってたので」答えながら紅茶を入れる。


「そうだったの。余計なことをしてしまったかしら?」

「いいえ。気遣ってくださって嬉しいです。都会では人間関係がギスギスしてて、他人に干渉しないんですよ」

「そうなの。寂しいわね」

「さあ、どうぞ」紅茶とケーキが乗ったお皿をテーブルに置く。


 その後、夫人は一時間ほどいると帰っていった。


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