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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第三章 運命の輪が作るストーリー
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16-2 精霊がいる場所

 

「残ってたのか」

「……そうなるわね」

「今回のことに付いて、お前たちはどういう考えなんだ?」

「最初は、中立国を覗(のぞ)いて全面撤退(てったい)の趣旨(しゅし)で動いてたわ。でも、拒(こば)む者が出てきた」

「なぜ?」


「私たちの中には、長くこの世界に住んでる者が大勢いるわ。そうなると、家族を持つ者が出てくる。恋人や友人も。そんな彼らを無理矢理引き離すことはできない。だから、彼らにはサポートを付けて留まることを許可したの」

「それで、何も変わらない場所が出てきたのか」


「それだけじゃないわ。私たちが人間界から撤退したら、彼女たち、人間界にいる自然界の精霊を見殺しにすることになるのよ」湖から顔を出して、こちらを見ている二名のフロス アクアエを見る。

「最初は中立国を除いて全面撤退の趣旨で動いてたと言ったが、どこへ撤退するつもりだったんだ?」

「それは……」

「撤退と言うからには元々居場所があって、そこから人間界へ来てるという流れだよな?」

「……」

「そうか、シルバーフェニックスの国がどこかに存在するんだな? そこから人間の世界、つまりここに来てるんだ」

「……」


「以前、どこかの国の官僚が一時期、大量のシルバーフェニックスを確保し、一気にステータスにのし上がったと報道されたことがある。あの時は、どこからそんなに確保したのかと話題になったが、もしかしたら、シルバーフェニックスの国に行く方法を見付け、乗り込んでいったのか?」


 キラは俯いて何も言わない。


「ああ、答えなくていい」


 迂闊(うかつ)に口を滑らせてしまったと自分を責めているキラに「その官僚の事件のとき、シルバーフェニックスの王国があるらしいという情報が裏社会で噂(うわさ)になった。たぶん、その官僚の関係者がリークしたんだろうと言われてる。だから、お前の話を聞かなくても予測は立った」


 また黙るキラに「その時、一緒に出てきた情報によると、幽閉していた兄弟を騙(だま)して王国への入り方を入手したということだが、その事は知ってるか?」


 俯くキラはしばらく何も言わなかったが「その兄弟、二人だけが、狩りのときに、生き残った、そうよ」と話し出した。「国王が、助けに、来て、くれるまで、頑張ろうって、励(はげ)まし合ってた、のに、お兄ちゃんの、ほうを、痛め、つけて……」

「もういい!」キラの言葉を遮(さえぎ)る。「もう、十分にわかった」


 実は、その後の情報も追記して流れていた。

 その兄弟は、後日、幽閉されていた屋敷の裏にある森の中に埋葬されたと……。


「お前たちが人間を憎む理由は十分にわかった」


 そして、その事件で王国から連れ去られたシルバーフェニックスは二百名を超えるという情報も流れ、狩りに拍車を掛けたことになった。

 しかし、シルバーフェニックスが王国への入り方を変えたらしく、再び王国への入り口が開くことはなかった。


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