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第二章 第14話 救出

 

 コルセイの外套を被り、とりあえず目の前で話が出来る様になった。納得していないようだがコルセイの誤解は解けたようである。


「改めて、久しぶりだね。無事で良かったよ」


「私こそ助けに来てくれたのにごめん。でも……驚いた」


「そ、そっか。良かったよ。久しぶりの再会を喜びたい所だけど、とりあえずここを脱出しよう。歩ける?」


「咄嗟に動けたけど、長い間は動く事はできないと思う」


 長期間拘束され、暗闇、精神的に不安定な状態。普通に話ができているのは奇跡に近い事だろう。今のオリビアとこの部屋の人数を連れてこの場所を逃げるのは中々難しそうだ。どうしたものかと悩んでいると部屋の隅から声が聞こえる。


「うぅ、誰かいるのか?」


 目線を転じれば、苦しそうにこちらを向く男を見つける。オリビアに目配せをすると、コルセイは急いで男に駆け寄る。


「大丈夫か? 今、助ける」


 コルセイはこの男も産まれたままの姿ではないかと警戒したが、体を掘り出すと男は衣服を身につけていた。ある程度掘り起こすと男の服装に目がいく。


「黒狼か?」


「ああ、ダレス隊の者だ。お前コルセイだな? まさかお前に助けられるとはな」


「お、俺を知っているのか?」


「ああ、知ってるぜ。ちょっとした有名人だからな」


「えっ? 有名人?」


「あぁ。まあ、そんな事はどうでもいい。背中のポーチのバックルを外してくれないか? アイアンホーネットの解毒剤と体力の回復薬がある。ここにいる人数なら数は間に合うはずだ」


 どうでも良くは無いが、今は確かに確認している場合では無い。


 男を壁から掘り起こすと一部が溶けているのがわかる。壁に埋め込まれる事によって生体以外の不純物を時間と共に少しずつ分解しているのであろう。バックルを外すとそこには試験官の様な細長い管がずらりと並んでいる。


「おぉ。これで全員助かるな」


「ダレス隊長の指示だ。本当は直接救出できればよかったんだが、途中でクイーンに捕まってしまった」


 二人に解毒剤を与える。動く事ができないオリビアはその場に座り、ダレス隊の兵士とコルセイは捕らわれた人々を救出する。ダレス隊の他の生き残りも、拘束時間が短かったおかげで解毒剤後にしばらく休めば動く事ができそうだ。意識が戻らず動く事のできないと者、王国のヒーラー部隊生き残りを合わせると、最終的に救出できたのは十人程度であった。


 何とか命を助ける事はできたが、この人数を連れてクイーンから逃げる事などできるのだろうか? 手持ちの武器では攻撃は効かない。火炎瓶も手持ち残り一瓶。さっきの奇襲がまた通用するとは考えづらい、倒す事は当然無理、現実的に皆を連れての逃走は考えて難しいだろう。その上でコルセイは考える。


「俺から提案がある。確実では無いうえにリスクもある作戦だ。それでも良ければ俺の作戦を聞いて欲しい」


 他の者から反対する声は上がらない。コルセイは助かった皆の顔を見渡すと静かに作戦を話し始めた。


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