第二章 第11話 再会
「ダレス!!」
以前と変わらない大きな壁の様な男がこちらに振り向く。
「コルセイか?」
馬を降りると足早にダレスの元に駆けつけ、ダレスの背中を軽く叩くとお互いの無事を喜ぶ。ダレスも口元にうっすらと笑みを浮かべており、コルセイの肩を掴み無事を歓迎する。
「元気そうで安心した。少し背が伸びたな」
「顔色が悪いと良く言われるけどね。ダレスも元気そうで嬉しいよ」
お互いの無事を短く確認し合うと、コルセイはすぐに本題へと入る。
「ダレス、捜索の状況を知りたい。俺にも詳細を教えてくれないか?」
「ああ。ガーランドにオリビアの事を聞いたのか?」
「いや、あいつは俺には教えてくれなかったんだ。ここには独断で来た」
一瞬、あっけにとられたダレスが何か言おうとしたが、再び口を閉じるとコルセイの足元にいるアイスミレ二股狼に視線を移す。
「敵じゃない、新しい仲間だ。ダレス、お願いだ。オリビアの事詳しく教えてくれ」
「わかった。あっちで話そう」
ダレスの合図で部下がコルセイに近づく、馬の手綱を部下に預けるとダレスの後に続きキャンプの中央へと向かった。
「早速で悪いんだがオリビアは見つかったのか?」
「いや、まだ見つけられていない。ただ、生きている可能性は高い。この先の谷で見失った事までは分かっている」
「生きている可能性が高い? 誰かが姿を見かけたのか?」
「いや、姿は確認できてないのだが、生きているのはわかる。お前が持っているあのネックレス、あれは生命力をわずかに上げてくれる効果の他に、魔力を込めた者の生存が確認できるレリックだ。
生存確認できる効力はかなりの広域であると言えるが、生存している事しか確認する事はできない。ちなみに魔力を込めた者が死ぬとネックレスも壊れるようにできている」
「あのネックレスにそんな効力が? そうか。生きているとわかっただけでも少し安心したよ。谷にはもう行ったのか?」
「向かうには向かったのだが状況ははあまり芳しくはない。奥に面倒な魔物がいる。オリビアはその魔物に見つからずに隠れているか、もしくは捕らえられてしまっているかの、どちらかではないかと考えている。オリビアが部隊から離脱して時間も立っている。救援は少しでも早い方が良い」
「その魔物は何が厄介なんだ?」
「蜂だ。両端に切り立った崖を上手く使い、崖の窪みから谷に入った生き物を空中から襲う。数もかなりいる様だが、どれだけの数を相手にしなくてはならないのかは想像がつかない。偵察に数人ほど向かわせているが帰ってきたのは一人だけ。どうやら残りの者は蜂の毒にやられた後に連れて行かれたようだ」
「連れていく?」
「この時期は蜂の繁殖期だ。生きたまま餌にするのではないかと考えられている。オリビアももちろんだが、助けなくてはいけない人物が増えてしまった。兵士が生きている可能性があるうちに助けに行く。部下たちに準備をさせているがも、うすぐ準備が整うはずだ。お前も来るか?」
「当たり前だ。その為にここまで来た、もちろん参加する」




