第二章 第5話 討伐戦
廃墟へ繫る道は大きく分けて3本ある。正面、裏手、そしてコルセイがいる森林に繫る道である。
先程、大きなクラリオンの音が鳴り響き、作戦が開始された。騎士団が順調に山賊を追い立てていれば、敗残兵がこちらに向かってくる頃だろう。
「こちらに大物がくる可能性もある。気を引き締めて置いてくれ!」
「大丈夫、油断はしてないよ」
コルセイとダレスが二言三言交わすとしばらくして叫び声と共にバラバラと敗走して行く山賊が出てくる。
「ダレス?」
「もう少し引き付ける。奥にも兵士は配置してある。……今だ!」
ダレスの横に待機していた兵士がクラリオンを吹く! 高々に響く音と共に森の茂みに隠れていたダレスの部隊が一斉に山賊の横っ腹を突き破った。
「ふ、伏兵だ! ひぃぃっ!」
コルセイはクラリオンの音と共に道に飛び出る。山賊に向け勢いよく懐に入ると、腕の隙間から剣を差し込む、肉を抉る不快な感覚と共に山賊は剣を振る事もなく倒れる。
「クソッこうなればやけくそだ!」
仲間がやられた事に動揺し、大柄の山賊がコルセイに斬りかかるコルセイは後方にバックステップで斬撃を躱すと、両腕のショートソードで相手の剣を押さえ込む。
「グヘヘっ! 俺様の力をどこまで押さえ込む事ができるかぁボォっえ」
大柄の山賊の後ろにはリュケス。山賊は反撃する事もなく、赤い刃紋の刀が後頭部から眉間にかけて突き刺さっていた。
新たな伏兵に山賊の一人が声をあげる。
「このデカブツをまず片付ける! 退路を開け!」
声を合図に弓を持った者が数名で矢を射掛けると、すかさず槍を持った数人がリュケスに向けて走り込む。槍が鎧を突き破るのを確認すると山賊の一人が声を上げる。
「よしっ。まずは一人! 怯むな! 何とか退路を開くんだ。俺たちはまだ終わっていない!」
槍で突き刺されたリュケスの後方でルセイとダレスはさらに後ろへと下がる。
「ど、どうした仲間がやられてビビってるのか? どこを向いてやがる!」
コルセイとダレスは山賊達の少し後方を見据えている、何故か山賊達に視線を合わせようとしない。
「何が、えっ? ゴフっ! ばか…なっ」
刺された山賊は言葉を最後まで言い終える事なく倒れる。
「馬、馬鹿な? 確かにしとめたはずだ? んっ? その顔? まさか。ス、スケルトン!!」
「なっ!」
「て、敵にアンデッドがいるぞ! ひっひーーっ」
伏兵でただでさえ混乱している時にアンデッドの襲撃。押し留めていた感情の堰が切られ、一瞬で山賊は恐慌状態に陥る。泡を吹き、武器を投げ捨て、膝を突き戦意を喪失する。
「敵は戦意を喪失している! 一人も逃すな!」
ダレスの怒声が響くと一斉に兵士が襲いかかり、ものの数分で戦局は一方的なものとなった。




