2-3 おとまりぱーてー
すいませんっ!
週1更新やっぱり厳しいです…
今私たちは矢萩くんって子の家の前にいる。特別大きいわけではないけど、見た目はきれいな一軒家だ。どうやら今日の放課後に依頼が来たみたい。でも私は覚えてない。椅子を繋げて寝ようとしたところまでは記憶があるんだけど…それにしても何かとても不愉快なことがあった気がする。
「どうぞ、入ってください」
「お邪魔しま〜す」
中に入ると急に禍々しい気配を感じた。
「ねぇリオ、何か変じゃないここ?」
「そりゃそーでしょ。この家幽霊出るんだから」
なんですと!?
私知らないよ!?そんなこと。
「何で私に知らせてないの?私一応部員だよね?」
「どっちでもいいって言ってたじゃない…」
どうやら私の記憶が抜けている間内なるの私が覚醒してそう言ったらしい。私霊感強いから見えちゃうんだけど。
そういえばケンの顔が腫れてるような…
あ、目があった。
「レイちゃ〜ん。レイちゃんにやられて顔腫れちゃったんだけど」
「ごめん、覚えてない」
申し訳ないとは思わない。大方私の寝込みを襲おうとしてもう1人の私が叩きのめしたのだろう。もう1人の私か……なんか格好いい響きだな…。
「じゃあレイちゃん。責任とって俺とエッ…ブゴォ!!」
「今はそういう空気じゃないなぁ」
すぐさまヒデがケンの鳩尾にブローを入れる。ナイス!!
「なんだよぅ!幽霊はエロいのが苦手だって誰かが言ってたんだよぅ…」
「じゃあ1人でやってろ…」
「ノブひどい…」
ケンがいじけだした。いくらなんでも可哀想だ。慰めようとは思わないけどね。
「こっちです皆さん、毎晩ここから物音が聞こえるんです」
矢萩くんは幽霊が出るという一階リビングへと私たちを案内した。
「あれ?どうしたの?ノブ。顔色悪いじゃねぇか」
「お前もな。ビビってんだろ」
「だから何度も言うけどこの俺が幽霊ごときにビビるわけねぇじゃん」
意地の張り合いを始める2人。バカだなあ…。
…ん?
パジャマ姿の女の人が廊下を歩いているのが視界の隅に写った。変だな…矢萩くんの両親は旅行のはず…
「矢萩くん、お姉さんいるの?」
「いや、僕は一人っ子ですけど…」
「え?じゃあさっき廊下にいた人は誰?……何してるの?2人とも」
私が聞いたときには既にノブは十字架を手に持ってお経を唱えていたし、ケンは必死で押し入れに逃げ込もうとしていた。
「ノブ…お前が何がやりたいのかさっぱりわからん。つーかなんで十字架?」
ヒデが怪訝な顔で聞く。
「え…?いやいやいや、び…ビビってねぇよ?」
あ、声裏返った。なんか可愛いな…。
「いや…ビビってるのかは聞いてないし」
「ビビってない!!俺はビビってないぃ!!」
あぁよっぽど怖いんだな…。リオが幻滅するんじゃないかな?
「怖がってるノブ…可愛い。キュンキュン」
あんた何でもいいんだね。キュンキュンとか言ってるし。死語だし。
「衛生兵〜!!衛生兵〜!!」
「おいケン!!近所迷惑だろ!!しかも衛生兵はなんか違う!!」
「お前が一番うるさい!!衛生兵〜!!」
「ノブも何とか言ってくれ!!」
「えっ!?幽霊でた!?うわぁぁぁ!!」
「何ぃ!?出ただとぅ!?軍曹!!軍曹!!援軍を要請します!!」
「あ〜もううるせえ!!!」
「あ、また出た」
嘘だけど。
「南無阿弥陀物南無阿弥陀物南無阿弥陀物南無阿弥陀物南無阿弥陀物…」
「我が軍はここまでか…メソポタミア文明万歳!!」
「私も真似しよっと南無阿弥陀物南無阿弥陀物南無阿弥陀物…」
うわすごいカオス…。
「レイ、ホントにでてんのか?」
「いや、でてないよ」
これ以上事態が悪化したら収拾がつかなくなるから仕方なくでてないことにしといた。
もうちょっといじりたかったんだけどなぁ…。
「おい!嘘だってよ!落ち着け!!」
「へ…?嘘?ま…まぁ俺は初めから幽霊なんかいないと思ってたけど皆を守るためにお経を唱えただけであって全くビビってなんかないけどなケンはめちゃくちゃビビってたけど」
「は?何言ってんの?俺は皆が幽霊怖いだろうと思って空気を和ませようとしてちょっと軍隊の真似しただけだし」
「なんだと!?」
「なんだ!?」
睨み合う2人。高校生になってまでここまで分かりやすい意地の張り方する人っているんだね…しかもケンはともかくいつもクールなノブがここまで慌てるなんて…。
「ノブ、落ち着いて。夜になるまでみんなで大富豪しようよ」
「ん?ああそうだな」
リオの提案で大富豪することになった。
大富豪は大いに盛り上がり私とリオとノブと矢萩くんが代わる代わる大富豪になる白熱の展開。ヒデとケンは2人で大貧民争い。
時を忘れて盛り上がっていると、いつの間にか夜の9時。各自コンビニで調達してきた晩ご飯を食べ、遊び疲れたのかケンがダウン。矢萩くんは
「ありがとうございます。これで安心して寝れます」と言い、早めの就寝。
「うるさいのがいなくなって清々したな」
「そんなに言うなら呼ばなかったらいいんじゃない?」
「いや、それは無理だろ。そんなことしたら俺が全ゲーム大貧民になってしまう」
それだけの理由なんて…。見た目通りヒデは小さい人間だな。
「何笑ってんの?」
「いや、見た目だけじゃなくて心も小さいなぁって」
「うわ…いつの間にそんな毒舌家に…俺もう立ち直れない…」
うわ、リアルorzだ。初めて見た。
「はい、ア〜ン」
「やめろって。恥ずかしいだろ?」
「いいからいいから。はい、ア〜ン」
「ア、ア〜ン」
拒否れよノブ!!あんたらよくもそんな恥ずかしいもの見せられるな。
「なぁ…リオとノブっていつの間にか付き合ってたりする?」
「いや、私にいつも相談してくるからそんなことは無いと思う」
「友達状態であれか………まああいつは告られてもOKするわけないか…」
「そういえばどうしてノブは彼女作らないの?その気になればいつでも作れそうだけど…」
前から疑問に思っていたことを聞いてみる。あの顔にあの高身長、性格もクールだし色んな女の子から告白を受けていてもおかしくない。
私は好きとは思わないけど。私はああいう敷居が高い感じの人はちょっと苦手だ。
「まあ…あれだ…昔の恋愛を引きづってるってやつ」
笑って誤魔化そうとするヒデ。まああんまり詮索するのは好きじゃないし誤魔化されようかな…。
「そんな、もったいないね…リオも可哀想だし」
「リオに言うなよ」
「もちろん。あの状態のリオ面白いし」
「うげ…性格悪ぅ…悪女だ悪女」
「ふふふ…なんと言われようと面白い物は好きなのだ」
「ま、俺も好きだけどな」
ニヤケるヒデとハハハッと笑い合う。ヒデとは気が合うなぁ…リオといいヒデといい気が合う友達を2人も持てて私は幸せ者かも。
ッ!?
そんな感じで私はもう少し良い気分に浸っていたかったのだけど…突然頭痛に襲われ意識が遠くなる。
遠くなる意識の中で最後に見たのは、慌てるヒデの顔とさっきの女の人を含む三人家族のニヤニヤと笑った顔だった。
どんなに忙しくても
最低月1では更新するのでこれからもよろしくお願いします。