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1-5 コナミコマンドはすごい

「僕の下部が世話になったね。ボディガード君」


「おう。ケリつけに来たぜ」


倉庫内で俺と相対しているのは例のオカとかいう奴。それなりに背が高く、細身で髪が長い優男風の男。



「ノブ!ヤバいって敵うようよいるよ!ヤバいヤバいヤバいヤ!殺られるぅ!ヤられるぅ!」


「黙れ!」


バキッ!ドサッ!

思いっ切りケンの頭にパンチしたら、ケンは気を失って倒れた。

こいつ何しに来たんだよ!いや…俺のせいだけどね。でもこいつに謝るのは気が引ける。


「大丈夫なの?その子?」


「大丈夫じゃねえな」


オカはケンの心配をする。案外いい奴だったりして。



「こんなんはほっといて本題に入るが…なぜリオを尾行してた?」


「そうよ!何するつもりだったの!?金目当て!?」


リオもここぞとばかりに吠える。ケンのことは完全にスルーなんだな。


「何ってナニだよ」


「はぁ?お前見てもらいたい人なの?」


つーかナニっていう言い回し流行ってんのか?

ちなみにナニが何なのかは察してくれ。


「違うよ1人じゃなくて…可愛いからみんなでマワしちゃおうかと思って」


笑顔でそんなことを言い切るオカ。案外いい奴?とんでもねぇ!最低野郎だな。


「最低…」


「最低とか言わないでよリオちゃん。僕の学校男子校だからさ〜まぁ、僕は男子校でも女なんていくらでもできるからいいんだけどね、こいつらは女作るの無理だからねぇ〜仕方ないんだよ」


「何が仕方ないのよ!」


リオは真剣にキレている。まぁそりゃキレるだろうな…こんな奴を見たら。


「まぁ痛くしないからさ…僕は。そういえばもう1人の娘は?あの娘も欲しかったんだけどな〜逃げちゃった?」


「ああ。帰ったよ」


誤算だけどな、帰らせて良かった。


「あぁ…向こうの娘はムッツリジョーに盗られちゃったかぁ…」


「何!?」


「だからあの娘は仲間のジョーが追ってんの。逃がした意味なかったね」


「ねえ!レイは…レイは大丈夫なの?」


「レイちゃんっていうんだ〜いい名前だな。おっと、いない娘褒めても仕方ないか。」


「あんた…レイに何かしたらただじゃ済まさないから」


リオが睨みを効かせるもオカは少しも気にせず…


「ムッツリジョーは僕より強いから何もしないってのは無理だろうね」


「そんな…」


リオは茫然とうなだれ、今にも泣きだしそうだ。


「大丈夫だ…ヒデがレイを守る」


「ヒデ君なんで小さくて弱そうじゃない!レイを守りきることなんて…」


「あいつは中学時代、俺の右腕として数々の修羅場をくぐり抜けてきた。心配はいらない。」


「でも…」


「いいから」


少々強引にリオを納得させる。

ヒデちゃんとレイを守れよ。

俺はリオを守るから…

今度こそは、絶対…












「ふぅ…巻き込まれるところだったね」


「いや、ホント危なかった。ったく、不良は不良同士で勝手にケンカしてろよな〜」



俺…ヒデとレイはチャリで帰っていた。

あいつらは俺たちか弱い一般人を巻き込んで何が楽しいんだか…いつだって損するのは俺たち一般人だ。…俺いいこと言った。

レイの家は大通りから少しそれた小さな通りにある。

で、今その小さな通りに入ったところだ。

この辺は暗いから奇襲がやりやすそうだな…。そんなことを考えていると大抵…いやいや考えるから事は起きるんだ。無心になれ…俺。別のことを考えるんだ。えーと、上上下下左右左右…


「ねえヒデ、誰かいるよね?」


コナミコマンドを頭の中で思い描いた俺の苦労も虚しく、やっぱり追って来ちゃいました。なんか俺ってツいてないよな。いや、逆にツいてる!?ラッキー!


「なんでラッキー?実はそんなにケンカしたいの?」


あちゃーあまりにテンション高くなって口に出してたか…


「んなわけないだろ、さっきの奴らだろうか」



「だろうね…どうする?」


「逃げるぞ」



「どこに?私の家はやめてよ」


「なんで?……あっ!」


しまった!今レイの家に入ったらレイの住所が不良たちに知られてしまうじゃないか。


「気づいたみたいね…で、どうする?」


「…とりあえず大通りに出るか」


今はこれが一番だろう。向こうが来る前に大通りに出てしまえば敵さん何もできんだろ。現に大通りにいたときチャンスはいくらでもあったし…例えば俺がドリフトに失敗して派手に転けた時とか…せっかく描写無かったのにバラしちゃったよ!


「そうね…」


レイは同意してくれた。さて、先を急ぐか。襲われる前に…










シュッ!!







避けた拍子にチャリから転げ落ちる。痛ってえな…今日2回目だよ…やっぱツいてねぇ…

人生そう簡単にはいかないもんだな。



「むぅ…やるではないか」


ゆっくりと原付から降りながら厳かな態度で話すのは俺を殴った男。デカくてヒゲが生えている…マジで高校生か!?学ラン似合ってねえよ!スーツ似合いそう。


「後ろから殴りかかるなんてデカいくせに卑怯なことするね」


とりあえず挑発。

って挑発してどうする!ケンカしたくないのに!俺は平和主義者なんだよ!



「ふん…本当に俺が卑怯者ならばそちらの女を人質にでもとるわ」


あ、よかった気にしてない。


「大きい卑怯も小さい卑怯も同じだ」


だからなんでそういうこと言うかなあ…この口は!


「ふむ…なるほど。貴様、名は何という?」


「そっちから名乗るのが礼儀だろ」


もういいや、俺の口は意志を持っています。だから怒らないでね、デカイ人。


「すまない…俺は城だ。ジョーと呼んでくれ。で、貴様の名は?」


ジョーという男は俺の何回にも及ぶ挑発に腹を立てる様子は全くなく、あくまで冷静に俺に問いかける。人間できてるね。だったらケンカせずに帰って!!


「お友達にでもなるつもりかよ」


友達になったらいいじゃん!なって穏便に事を済ましたらいいじゃん!


「ならないのか?」


「わかったよ…お友達になるからここは退いてくれないか?」


よっしゃ!言いたいこと言えた!


「それは無理だ!」


何でやねん!!せっかく脳と口が友情タッグを結んだのに…


ジョーはいきり立って俺に殴りかかる。

見た目通り大振りだったので難なくかわして、奴のこめかみにフックを思いっ切りぶち込む。

やっちゃった…いや、これは反射で…ええいもう!なるようになるさ!ケセラセラ!!


「くっ…やるな。貴様何者だ?」


「卑怯者に名乗る筋合いはないなぁ」


もう脳と口は友情タッグ結んでる。よってこの言葉は俺の意志である。


「そうか……そういえば貴様先ほど大きい卑怯も小さい卑怯も同じ…と言ったな。ならば、大きい卑怯とやらをしてやろうではないか。出てこい!!」



それ俺じゃない!俺の口の若気の至り!


そんな言い訳通用するわけがないから何も言わないでいると、ジョーの叫びに反応して今まで気配を消していた大量の不良共がワラワラと姿を現した。こんなの聞いてねえよ。

やっぱり謝って逃げようか。

今の俺の脳と口は固い友情で結ばれてるからいける!


「ねえ、逃げようなんて考えてないよね?」


「んん?あ…あたり…まえだろ?」


「嘘つくの下手ね」


見透かされた!そして呆れられた!どうしよ…


「フハハ我らが軍団嶋一派の規模に恐れをなしたか!」


嶋一派…私立清徳学院一の規模を誇る派閥。

ボスの嶋が中心となり開校以来初の清徳制覇を実現した。


出典ウィキ○ディア



もちろん嘘だ。


それにしても厄介な奴らと対立したな…。


「やれ」


ジョーの一声で大量の不良たちが向かってくる。


「うおお!」


叫び声をあげながら突進してくる不良共を俺は昔の感覚を思い出しながら次々と撃破していったが、何分多勢に無勢。段々と体力は限界に近づきいていた。ヤバいなこのままじゃ……そうだ!レイは?レイは無事だろうか……

俺が視線をレイに向けると、レイは迫り来る不良たちを簡単に木刀でなぎ払い倒していた……って倒していたぁ!?


「な…この女やりやがる」


「お前…なんでそんなに強いの?てか木刀はどこから?」


「中学のとき剣道やっててね、いつも木刀持ち歩いてるの」


「経験者だと見つかったとき処分が重くなるけど…いいのか?」


「見つかんないようにやればいいんでしょ?」


「こりゃ頼もしいな」


「一気に片付けよ」


「ああ」


俺たち2人はあっという間に15人程いた不良共を撃破した…。

「なんということだ…私の部下が…」


「退けよ、ジョー。もうお前だけだ」


余裕ぶる俺。でも実際はめちゃしんどい。ビビって逃げてくれねーかな…


「部下たちを見捨てて逃げるのは私の流儀に反するのだ!!」


「しゃーないな」


突進してくるジョー。だがさっきので学習したのか、隙のない素早いジャブを繰り出す。俺はそれを右手で受けて左手でジョーの鳩尾を殴った。

しかしジョーの腹筋は堅かった。


「むん!そのような攻撃など効かぬ!」


デカい体格を活かして俺の脳天をぶちのめそうとする。

ヤバ…疲れて体動かなねぇ!やられる!



「面!」


突如、後ろからレイがジョーの頭を木刀で殴る。

つーか剣道の試合でそれやったら反則だよな?


「くっ…卑怯者」


ドシン!

ジョーはそう漏らし、デカい体は盛大に倒れた。


「大人数で袋にしようとしたのは卑怯にならないのか?」


「………」


へんじがないただのふけたでかぶつのようだ


「…帰ろうよ」


「そだな」

俺たちは乗り捨てた(転げ落ちた)チャリに乗り家路に着いた。

「それにしても助かったよ、ありがとう」


「私がいないと負けてたしね」



笑顔で言うレイ。男だ女だ言うのはあんまり好きじゃないが、女の子に守られたってのはなかなか悔しいな。


「痛いとこつくね」


とりあえずこれしか言えない…

よし!


「レイに守られたのは格好つかないからな…タバコ止めて体力つけるよ」


「ホント?私タバコ嫌いだからよかった〜」


心底嬉しそうなレイ。そんな顔されたら絶対禁煙しないとならなくなる。

俺は持っているタバコを全てポイ捨て…はせずに、ちゃんとゴミ箱に捨てた。

止めようポイ捨て!



そういえばノブは生きてるかな?まぁどうでもいいか…

俺たちを巻き込んだ張本人だし。死んだら葬式行ってやるからな!





GWなのに忙しい…

課題多すぎだ!!

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