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異世界宇宙戦艦の大家さん  作者: 井上尭彦
戦闘詳報第二号 異界探索編
20/64

宇宙戦艦の撃つためのデザイン

 さて、衣装はこれで良しとして次は探索用の道具と護身用の武器だ。


 続けてカスミに必要な道具を用意するように指示した。


 カスミが例によって合成で作成した道具――調査サンプルを入れる各種高耐性筒形密閉容器、フック付き多層カーボンナノチューブ製ロープ、指向性分子分解機能付きマチェットなど――を身に着ける。

 ロープが必要なのはいかに強化人間ボディといえど空を飛べるわけでは無かったからだ。

 23世紀のペガサス博士も足の裏からジェット噴射でラララ星の彼方まで空を飛ぶ機能は付けなかった――というかそんなの付けられても困るが。ケツからハレンチな格好でマシンガン乱射したくねえし。


 まあ、ここまでは良いだろう。

 問題なのは護身用の武器である。

 一応、護身ためのオーバーキルでない個人用携帯武器を23世紀の情報も含め調べてみたが、どれが適当なのかサッパリ分からん。

 まず前提として基本的に無駄な殺生は禁止である。地球外生命体調査というのに貴重な調査対象を殺してどうするんだ。第一、この人工強化人間ボディを何とかできるような生物が滅多にいるとも思えないし。

 では、無防備でいいかと言えばそうとも言えない。艦内モニタリングでは地球の自然法則に反する現象を発動させる未知の能力――つまり『魔法』を使う存在がいるのだ。

 俺も艦内モニター越しで角の生えた人間っぽいのが手から火とか出しているのを目撃した時は正直驚いた。そういった不安定要素もあるし、そこまでいかなくても例えばワンちゃんの大群に囲まれて過激なスキンシップを熱烈に求められるとかも想定するとやはり最低限の自己防衛は必要だろう。


 そういった訳で武器に関するアーカイブを検索して適当なものを探しているんだが。

 もともと普通の一般人の俺では剣とか槍とか扱いが分からんし、銃とかも触ったことすらないので当てる自信がない。

 23世紀の銃はハイテクなレーザーガンとかで威力が高くなり、照準も自動で合わせてくれるので素人の俺でも扱えそうだがいずれにしろ殺傷力が高すぎる。


 んー。分からん。

 俺はあきらめてカスミに任せることにした。


「カスミ、何か身を守るための携帯できる武器はあるか?」


 と、カスミに質問すると


「ございます。今すぐご用意致しましょうか?」


 との返答が。


 …………


 今まで悪ふざけが過ぎるネタとしか思えない幾つものヘンテコ道具がこの不思議ちゃんドラ○もんからご登場なさったのを思い起こし少し躊躇する。

 まあ、あの青ダヌキも大概だしまさか地球破壊爆弾とか出さないだろうと自分に言い聞かせて任せることにした。


「じゃあ頼む、用意してくれ」


「了解しました」


 そして、カスミが眩い光とともに空中から手にした物体は……



 ……じょうろー



 …………


 母さん、今、目の前の少女が灰色の鋳物みたいなじょうろを持って僕に差し出しています。僕、携帯できる武器って言ったのに……


「……なに……これ」


「個人携帯用57年式2.5cm単装砲です。

 暴動鎮圧を想定した強ショックエネルギー弾を発射して対象を傷つけることなく無力化可能です。

 また、100カ所同時に識別できる自動並列照準センサーにより操作不要で標的を捉えられます。

 そして周囲の量子エネルギーを補充する事でほぼ無限に発射可能です」


 見た目とは裏腹に思った以上に高性能だった!

 とは言えなんでこんな残念な感じに……


「わかった。しかし、どうして外見がこれなんだ?」


「これは『軍これ』イベントにあわせて2257年に作成され、

 当時のセキュリティ担当スタッフに配布された装備です」


 また、『軍これ』かい!!

 もういいって、どこまで引っ張るんだよそのネタ!!

 と、思ったがこの戦艦自身がそのネタの最たるものだと気付き、まだあるだろう隠し球にげんなりしながら渋々、目の前のじょうろをカスミから受け取った。


 手にすると以外にも手にしっくりと馴染む感じで片手で持っても照準がブレない。その上、ご丁寧にもレザー製のタクティカルスリングも付いていて意外と取り回しも良い。

 なんだか非常に理不尽な敗北感に包まれながらじょうろ砲を肩に掛けて後ろに回して背負う。


 万一、元の世界に戻れてこれをデザインした方がご存命であらせられるのであればブラック社長兼参議院議員を精密に再現したロボットを作成し、全裸で張り付いたような氷の笑顔を浮かべたままエセ関西弁を喋りながらバックから執拗に責め立てさせて恩返しをする所存である。

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