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異世界宇宙戦艦の大家さん  作者: 井上尭彦
戦闘詳報第一号 異界覚醒編
15/64

宇宙戦艦のネットダイバー

 再び意識だけの存在となった俺は艦内ネットワークの膨大な情報の大海原にその身を躍らせた。

 外から断絶したローカルネットであるものの、最先端技術で構成されたデータベースが蓄積する情報量はマリアナ海溝よりも底が知れない。


 ネットはマジ広大だわ……

 そう、呟きながら手当たり次第に思いついた情報を検索する。


 俺が眠りに付いた後に世界各地の国家は軒並み解体されて、ブロックごとに集合・分裂を繰り返した後、最終的に23世紀の地球はその繁栄を太陽系各地の植民コロニーへ譲り渡し、その間にも変わることなくネコちゃん画像は世界中で癒しの対象として崇め奉られていた。


 リーマン予想が解明されたことにより量子物理学は飛躍的な進歩を遂げ、その成果を研究室の黒板の上から素粒子合成による大量生産の基礎技術へと舞台を移して、人類の宇宙開発を加速度的に推し進める一方でエッチなお姉さんの過激動画アップロードに対するいたちごっごの取り締まり劇は止むことがなく続いてゆく。


 地球外へと活動を広げた人類社会は数多くの新たな対立を生み幾度もの深刻な紛争危機をかろうじて回避して、危険な人類後退への道を移り気な悪魔の手から辛くも逃れながら、閉店の危機を涙ながらの努力で乗り越えた火星第121号"西新井"基地の3日煮込んだ特製火星コーチンスープで超濃厚鳥ガラ大盛り天然にんにく金星豚ラーメンを作る夫婦経営のラーメン店が連日長蛇の列の満員で太陽系グルメ年間ランキング一位連続3年受賞を達成していた。


 戦艦『ヒュウガ』の建造記録では最大幅2.5km、全長16km、艦底から檣楼までの高さが1.5kmという途方もない巨大さで、兵装は80cm三連装多目的砲を始めとして、超自由電子レーザー副砲28門、フレイムランス巡航ミサイル発射口16基、5連装対空レールガン50基、その他多数の最新兵器を備え、内装に大宴会場やカラオケルーム、ウォータースライダー付き温水プール、カウンターバー、光子シャワートイレ完備の客室多数を完備するという狂ったとしか思えないオーバースペックであり、壮大なスケールで繰り広げられる長編スペースオペラOVAを頭っから最後まで鑑賞する傍らで嘆息の息を吐いた。外伝も含めて繰り返し2回見た。


 あー、えーと外の様子ってどーなってのかなぁ。んー、なーんか地球とあんま変わんないなー。なーんだ大したことないや。

 えー、艦内はどうなってるんだか……うわっ! 結構よくわかんないのが大量に入り込んでるな。ホント大丈夫なのかこの状態……何か出店みたいのが集まってたりしてるし。まあ、大気圏内なら航行可能ってんなら心配ないか。

 あ、何か人っぽいのが群がってるぞ………おいおい、艦内で焚火してるよ。後でビシッと文句言っとかないとな。

 それからこっちは………なんだかよく分からない犬みたいな獣が徘徊してるけど………あ! オシッコした! もー、勘弁してよ。どうなってんの躾。飼い主どこ? まあ十分見たしもういいか………ふぁー………チョット眠くなってきた。少し寝るとするか………。



 とまあ、崇高な使命に基づいてこれからの行動指針を決定するための高度な情報分析を時間も忘れて行っていたのだが、ついに見つけたのだ。

 そう、日本が誇る絵と文字を組み合わせて表現される総合芸術。


 ――通称「マンガ」を。


 俺が人間だったころに読んだのも読んでないのも、まだ完結してなかったものも全部だ。

 見つけてしまったからには仕方がない。この第一級重要情報を自ら一つ一つ精査しなければならないだろう。


 ちなみに鉄塊としか形容しようの無い大剣を振るう黒い剣士の話は完結せずに初代の作者が亡くなり、その子孫が代々跡を継いでその続きを描いていたが23世紀に至っても終わらずに連載が続いていた。

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