表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LOVE DAYS  作者: 美環
6/44

長い一日のデート〜ついに告白編〜

午後一時十五分。二人はカフェで軽くお昼ご飯を食べて、そこから五分歩いた所にある大きな公園にいた。


「『アドベンチャー・チョコ』。やっぱり面白いよね。」


「だよねぇ。」


二人はベンチに座って、一緒に『アドベンチャー・チョコ』を読んでいた。

話の続きには、チョコは旅の途中である男の子と出会い、友人を助けた後、二人はめでたく結婚したのであった。


私もこんな風になれたらなぁ。


「ポタッポタッ。」


突然、空から水滴が降ってきた。それと同時にたくさんの雨が降ってきた。


「大変!!早く雨宿りできる場所探そう。」


「うん、あそこまで走ろう。」


二人は、千里が指差した屋根付きのベンチの所まで走った。その時、ちゃっかり手を繋いでいた。


「ふぅ、いきなり降ってきてびっくりしたね。」

「だよね、天気予報思い切りハズレたよね。」


ううん、大当たりだよ。だってウチら手繋げたんだもん。


二人は持っていたハンカチで濡れた体や服を拭いた。


しばらくすると、あんなに降っていた雨が、いつの間にか止んでいた。

「よかったね、雨止んで。」


「本当だ。あ、虹だ。」


西の空に、七色に染まった虹が掛かっていた。


「綺麗だねぇ。」


「・・・うん。」


二人はしばらくの間、輝く虹を眺めていた・・・。




午後五時三十八分。二人は帰るべく、駅まで向かった。

今日は楽しい一日だった。雑貨屋でペアリングを買ってもらったり、カフェでお茶したり、公園で一緒に本を読んだり、一緒に虹を見たり。いつもはあっという間に過ぎていく一日が、今日は長く感じた。


「今日は楽しかったね、ありがとう。」


育美は定期券を持ちながら話した。すると、


「私ね、嬉しかった。千里君が、脚立から落ちそうになった私を助けてくれて。千里君、学校ではあんまり目立たない人だけど、本当はすごく優しい人だったんだって知れてよかった。」


育美は、少し照れくさそうに言った。すると千里は育美の手を握った。


「俺、中学の時クラスから浮いてて友達も恋人もできなかった。高校入って正直不安だらけだった。でも、育美さんみたいに可愛くて優しい人に会えてよかった。育美さんだけが俺の存在を理解してくれた。それで俺・・・育美さんのこと好きになったんだ。」

突然の告白にびっくりしたが、育美はすぐ答えた。


「ありがとう、私も千里君のこと好きだよ。」


二人は互いに告白した後、手を繋いで駅のホームまで歩いた。


「俺さぁ、クラスでけっこう嫌われるから、あまり人前では話したり一緒に居られないけど、それでも俺と付き合う?」


「うん。周りがなんと言おうと、私は本当の千里君を知ってるんだもん。」


育美はそういうも、少し胸がズキッと痛かった。


千里は育美のクラスでかなりの嫌われ者だった。育美のクラスは派手で面白い奴が多いため、千里はみんなには合わないらしい。

「・・・授業中に手紙こっそり回したり、一緒にお弁当食べたり、メールしたり、電話したり。それぐらいしかできないけど、いい?」


「うん、いいよ育美さん。」


「育美でいいよ。千里君のこと千里って呼んでいい?」


「うん、いいよ育美・・・・・さん。」


「だから、育美でいいって言ってるじゃん。」




こうして二人は恋人になれた。しかし、二人に待っていたのは、波瀾万丈の日々だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ