二年生スタート
朝七時半。育美は若葉公園の前にいた。千里と待ち合わせしているのだ。
「あと五分かぁ。」
育美は、前回と比べて、ずいぶん変わった。
腰まで伸びた髪を肩ちょっと下まで短くして、緩く巻いている。唇にピンクのルージュをつけて、軽く化粧もしている。制服の着方も、襟をがっつりあげたワイシャツを第2ボタンを外して、首につけているネックレスが見えるようにしている。スカートも短くして、靴下をハイソックスにして、育美は全体的に大人っぽくなった。
五分後、育美は携帯を見ていると、南の方から千里がやって来た。
「育美ー。」
「おはよー、千里・・・。」
育美は、上げていた右手がピタリッと止まった。育美は千里に見とれていた。
違う・・・。いつもの千里じゃない、けど・・・かっこいい!
千里も前と比べてずいぶん変わった。ボサボサだった髪を短くして、けっこう爽やかになった。髪が短いおかげで、キリっとした綺麗な顔がはっきりと分かる。制服の着方も、ボタンを第一まで止めていた固そうな着方から、ボタンを一つ外してネクタイも緩くした軽い感じになった。
「育美、なんか雰囲気変わったね。」
「千里も・・・なんか違うね。」
二人はお互いの格好を見て思わず顔を赤くしていた。
「そろそろ行こうかぁ。学校始まるし。」
「うん、そうだね。」
二人は手を繋いで若葉公園を出た。
出会いの四月が始まろうとしていた・・・。